○診療報酬明細書等の開示に係る取扱要領
平成10年9月7日
制定
第1 目的
この要領は、鳥取市が行う国民健康保険及び老人医療の診療報酬明細書等(以下「レセプト」という。)の開示の取扱いに関する基本的事項を定め、個人のプライバシーの保護及び診療上の問題に係る取扱いに十分配慮をするとともに、もって被保険者等へのサービスの一層の充実を図り、レセプト開示業務の適正な遂行に資することを目的とする。
第2 開示対象レセプトの範囲
開示の対象は、原則として当該開示の依頼のあった日の属する月の前々月診療分から過去5年間分のレセプトとする。
第3 開示依頼対象者の範囲
個人のプライバシーの保護を図る観点から、次に掲げる者が行う開示の依頼に限り応じる。
1 被保険者等
(1) 国民健康保険の被保険者及び老人医療の受給者(被保険者及び老人医療受給者であった者を含む。ただし、死亡している者を除く。以下「被保険者」という。)
(2) 被保険者が未成年者又は成年被後見人の場合における法定代理人
(3) 被保険者からレセプトの開示依頼に関する委任を受けた弁護士
2 遺族等
(1) 被保険者が死亡している場合にあっては、当該被保険者の父母、配偶者又は子(以下「遺族」という。)
(2) 遺族が未成年者又は成年被後見人の場合における法定代理人
(3) 遺族からレセプトの開示依頼に関する委任を受けた弁護士
第4 業務処理方法
1 被保険者等からの開示依頼の場合
(1) 開示依頼に係る書類の受付
開示依頼書の受付に当たっては、依頼者の本人確認を厳格に行う必要があることから、依頼者本人の来庁を求めて、診療報酬明細書等の開示依頼書(様式第1号。以下「開示依頼書」という。)を提出させる。
なお、当該依頼者に対しては、次に掲げる事項を十分説明し理解を求める。
ア 依頼者の本人確認の必要性
イ 保険医療機関等に対する事前確認の必要性
ウ 保険医療機関等が開示に同意をしなかった場合については、開示できない旨
エ 開示依頼のあったレセプトが存在しない場合については、開示できない旨
オ 診療内容に係る照会については、対応できない旨
カ 交付の方法
キ 交付までの標準的な所要日数
ク 開示依頼に必要な書類
ケ レセプトには必ずしも診療内容すべてが記載されているものではない旨
(2) 依頼者本人の確認方法
依頼者の本人確認は、次に掲げる書類(有効な原本に限る。)の提出又は提示を求めて確認を行う。
なお、提示をもって確認した場合は、本人の了解を得たうえ、原則として提示された書類の写しを取るものとする。
ア 被保険者による開示依頼の場合
(ア)又は(イ)に掲げる書類で確認する。
また、婚姻等によって、開示依頼時の氏名が診療時の氏名と異なる場合には、旧姓等が確認できる書類等により確認する。
(ア) 次のうちいずれか1点
運転免許証、旅券(パスポート)、船員手帳、海技免状、猟銃・空気銃所持許可証、戦傷病者手帳、宅地建物取引主任者証、電気工事士免状、認定電気工事従事者認定証、特殊電気工事資格者認定証、耐空検査員の証、航空従事者技能証明書、運航管理者技能検定合格証明書、動力車操縦者運転免許証、教習資格認定証、検定合格証(警備員等)、古物行商許可証、無線従事者免許証、官公庁・公団・事業団・公庫・特殊法人等の職員の身分証明書(写真・生年月日のあるもの) |
(イ) 次のうちいずれか2点(a+b又はa+a)
a 健康保険被保険者証、船員保険被保険者証、国民健康保険被保険者証、共済組合員証、老人保健法医療受給者証、厚生年金保険年金証書(手帳)、船員保険年金証書(手帳)、国民年金年金証書(手帳)、共済年金証書、恩給証書、身体障害者手帳、依頼書に押印した印の印鑑登録証明書 b 次のうち写真が貼ってあるもの 会社の身分証明書、学生証、公の機関が発行した資格証明書 |
イ 法定代理人からの開示依頼の場合
法定代理人(依頼者)の本人確認は、アに掲げる書類で確認するほか、被保険者が未成年者又は成年被後見人であること及び依頼者が当該被保険者の親権者又は後見人であることを次に掲げる書類のうち少なくとも1つ以上の書類の提出又は提示を求めて確認する。
(ア) 戸籍の謄本又は抄本
(イ) 住民票の写し
(ウ) 法務局の証明書
(エ) 家庭裁判所の証明書
(オ) その他法定代理関係を確認し得る書類
ウ 弁護士からの開示依頼の場合
弁護士(依頼者)の本人確認は、日本弁護士連合会会則第29条第2項に定める弁護士の帯用する記章(以下「弁護士記章」という。)及び登録番号の提示を求め、かつ、当該弁護士に係る法律事務所の名称及び住所等の記載のある日本弁護士連合会又は所属弁護士会発行の身分証明書等の提出又は提示を求め確認する。
なお、身分証明書等がない場合は、当該弁護士に係るアに掲げる書類で確認する。
また、被保険者の署名及び押印のある委任状並びに当該委任状に押印された印の印鑑登録証明書の提出を求め、当該被保険者からレセプトの開示依頼に関する委任があることを確認する。
(3) 開示依頼書の受理
開示依頼書の提出があったときは、依頼者の本人確認及び開示依頼書の各項目の記載に漏れ、誤りのないことの確認をした後、開示依頼書を受け取り、受付日付印を押印のうえ当該依頼者へ開示依頼書の控えを手渡す。
(4) 保険医療機関への照会
レセプトの開示に当たっては、開示することによって本人が傷病名等を知ったとしても、本人の診療上支障が生じないことを事前に主治医に対して確認する。
また、レセプト開示の適否については、当該レセプトを開示することにより本人の診療上支障が生じない場合については「開示」、診療上支障が生じる部分を伏して開示する場合は「部分開示」、当該レセプトを開示することにより診療上支障が生じる場合は「不開示」と区分する。
なお、回答期限が経過しても回答がない場合は、当該保険医療機関等に対して電話等により回答を要請するなど適切な対応を図る。
(5) 開示、部分開示又は不開示の決定
保険医療機関等から当該レセプトについて様式第3号による回答があった場合は、その回答に従って開示、部分開示又は不開示を決定する。
また、保険医療機関等から部分開示の回答があった場合には、当該不開示部分を伏した上で開示する。
なお、次に掲げる場合にあっては、当該レセプトは開示の取扱いとする。
ア 保険医療機関等に対し照会を行った際に示した回答期限内に当該保険医療機関等から回答がなかった場合において、電話等により回答の要請をしてもなお回答が得られないとき。
ただし、主治医と連絡中である等遅延に相当な事由が認められる場合を除く。
イ 当該保険医療機関等の廃止等の事情により、保険医療機関等に対して様式第2号による照会を行うことができないとき。
ウ 照会の結果、送達不能で返戻された場合において、当該保険医療機関等を管轄する都道府県保険主管課(部)に確認してもなお当該保険医療機関等の所在が確認できないとき。
(6) 調剤報酬明細書の取扱いについて
調剤報酬明細書(以下「調剤レセプト」という。)について開示の依頼があった場合は、当該調剤レセプトに記載された保険医療機関等に対し様式第2号による照会を行い、前号の規定による決定を行う。
なお、当該調剤レセプトを開示する場合においては、当該レセプトを発行した保険薬局に対し、様式第4号によりその旨を速やかに連絡する。
(7) 開示又は部分開示の場合の連絡及び交付方法
ア 窓口交付を希望した場合
(ア) 依頼者への連絡
開示又は部分開示の決定を行ったときは、様式第5号により速やかに依頼者に通知する。この場合においては、親展扱いで郵送する。
なお、当該通知を発送した日から1月を経過しても来庁(連絡)がない場合は、交付用コピーレセプトを破棄して差し支えないものとする。
(イ) 交付を行う際の依頼者本人であることの確認
ただし、受付時に本人確認の手段として提出された書類又は提示された書類の写しがある場合には、それにより、依頼者本人であることを確認しても差し支えないものとする。
(ウ) コピーレセプトの交付
コピーレセプトの交付に当たっては、当該交付用コピーレセプト(1部に限る。)に「鳥取市」及び「開示日」を押印の上、交付する。
なお、交付の際は、受領者(依頼者)から開示依頼書の右下欄に署名を受ける。
イ 郵送による交付を希望した場合
(ア) 依頼者への連絡及び交付
開示又は部分開示の決定を行ったときは、様式第6号に「鳥取市」及び「開示日」を押印した交付用コピーレセプト(1部に限る。)を添付の上、速やかに依頼者に親展扱いで送付する。
(イ) 返戻分の取扱い
送達不能で返戻された交付用コピーレセプトは、返戻された日から1カ月を経過しても来庁(連絡)がない場合は、破棄して差し支えないものとする。
(8) 不開示の場合の取扱い
不開示の決定を行ったときは、様式第7号により速やかに依頼者に通知する。
(9) 不存在の場合の取扱い
開示の依頼があったレセプトについて、調査してもなおその存在が確認できない場合は、様式第8号により速やかに依頼者に通知する。
2 遺族等からの開示依頼の場合
また、遺族等についての本人確認の際には、前項第2号に掲げる書類による確認に併せて、当該被保険者の死亡の事実及び当該被保険者の遺族であることを次に掲げる書類のうち少なくとも1つ以上の書類の提出又は提示を求めて確認する。
(1) 戸籍の謄本又は抄本
(2) 住民票(除票)の写し
(3) 死亡診断書
なお、コピーレセプトを交付する場合においては、当該保険医療機関等(調剤レセプトを開示する場合は、保険薬局も含む。)に対し、様式第9号によりその旨を速やかに通知する。
3 標準業務処理期間
(1) 開示依頼書を受理してから開示等の連絡及び交付に至るまでの業務処理期間は、1月程度を目途とする。
(2) 前号の処理期間を超える場合には、依頼者に様式第10号によりその旨を通知し、理解を求めるように努める。
4 「レセプト開示受付・処理経過簿」の整理
開示依頼書の受付から開示等の連絡及び交付に至るまでの処理経過については、その都度、様式第11号に記載し、進捗状況を把握する。
第5 関係書類の整理保管
レセプト開示に係る一連の関係書類は、受付日ごとに整理の上保管する。
なお、関係書類の保存期間は、10年とし、文書処理済(完結)となった年度の翌年度から起算する。
附則
この要領は、平成10年9月7日から施行する。
附則(平成12年4月1日)
この要領は、平成12年4月1日から施行する。