○鳥取市無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準を定める条例
令和2年3月25日
鳥取市条例第4号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 基本方針(第3条)
第3章 設備及び運営に関する基準(第4条―第35条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この条例は、社会福祉法(昭和26年法律第45号。以下「法」という。)第68条の5第1項の規定に基づき、無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準を定めるものとする。
(用語の意義)
第2条 この条例において使用する用語の意義は、法で使用する用語の例による。
第2章 基本方針
(基本方針)
第3条 無料低額宿泊所は、入居者が地域において自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、現に住居を求めている生計困難者につき、無料又は低額な料金で、居室その他の設備を利用させるとともに、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう必要なサービスを適切かつ効果的に行うものでなければならない。
2 無料低額宿泊所は、入居者の意思及び人格を尊重して、常に当該入居者の立場に立ったサービスの提供に努めなければならない。
3 無料低額宿泊所は、基本的に一時的な居住の場であることに鑑み、入居者の心身の状況、その置かれている環境等に照らし、当該入居者が独立して日常生活を営むことができるか常に把握しなければならない。
4 無料低額宿泊所は、独立して日常生活を営むことができると認められる入居者に対し、当該入居者の希望、退居後に置かれることとなる環境その他の事情を勘案し、当該入居者の円滑な退居のための必要な援助に努めなければならない。
5 無料低額宿泊所は、地域との結び付きを重視した運営を行い、県、市町村、生計困難者の福祉を増進することを目的とする事業を行う者その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に努めなければならない。
第3章 設備及び運営に関する基準
(入居対象及び利用料の相当性の確保)
第4条 無料低額宿泊所は、次の各号のいずれにも該当しなければならない。ただし、他の法令により必要な規制が行われている場合その他の事業の主たる目的が、生計困難者のために、無料又は低額な料金で、簡易住宅を貸し付け、又は宿泊所その他の施設を利用させるものでないことが明らかである場合は、この限りでない。
(1) 次のいずれかに該当するものであること。
ア 入居の対象者を生計困難者に限定していること(明示的に限定していない場合であっても、生計困難者に限定して入居を勧誘していると認められる場合を含む。)。
イ 入居者の総数に占める生活保護法(昭和25年法律第144号)第6条第1項に規定する被保護者(以下「被保護者」という。)の数の割合が、おおむね50パーセント以上であり、居室の利用に係る契約が建物の賃貸借契約以外の契約であること。
ウ 入居者の総数に占める被保護者の数の割合が、おおむね50パーセント以上であり、利用料(居室使用料及び共益費を除く。)を受領してサービスを提供していること(サービスを提供する事業者が人的関係、資本関係等において当該施設と密接な関係を有する場合を含む。)。
(2) 居室使用料が無料又は生活保護法第8条に規定する厚生労働大臣の定める基準(同法第11条第1項第3号に規定する住宅扶助に係るものに限る。)に基づく額以下であること。
(設置者の要件)
第5条 無料低額宿泊所の設置者は、鳥取市暴力団排除条例(平成24年鳥取市条例第1号)第2条第1号に規定する暴力団(以下「暴力団」という。)若しくは同条第2号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)と密接な関係を持ち、又は暴力団若しくは暴力団員の利益につながる活動を行ってはならない。
(職員等の資格要件)
第6条 無料低額宿泊所の長(以下「施設長」という。)は、法第19条第1項各号のいずれかに該当する者若しくは社会福祉事業及びこれに類する事業に2年以上従事した者又はこれらと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。
2 無料低額宿泊所は、当該無料低額宿泊所の職員(施設長を除く。)が、できる限り法第19条第1項各号のいずれかに該当する者となるよう努めるものとする。
3 無料低額宿泊所の職員(施設長を含む。第22条を除き、以下同じ。)その他の無料低額宿泊所の運営に携わる者は、暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者であってはならない。
(職員配置の基準)
第7条 無料低額宿泊所に置くべき職員の員数は、入居者の数及び提供するサービスの内容に応じた適当な数とし、そのうち1人は施設長としなければならない。
2 無料低額宿泊所が生活保護法第30条第1項ただし書に規定する日常生活支援住居施設(以下「日常生活支援住居施設」という。)に該当する場合は、前項の規定にかかわらず、日常生活支援住居施設としての職員配置の要件を満さなければならない。
(規模)
第8条 無料低額宿泊所は、5人以上の人員を入居させることができる規模を有するものでなければならない。
(定員の遵守)
第9条 無料低額宿泊所は、入居定員及び居室の定員を超えて入居させてはならない。ただし、災害その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。
(構造設備等の一般原則)
第10条 無料低額宿泊所の配置、構造及び設備は、日照、採光、換気等入居者の保健衛生に関する事項及び防災について十分考慮されたものでなければならない。
(設備の専用)
第11条 無料低額宿泊所の設備は、専ら当該無料低額宿泊所の用に供するものでなければならない。ただし、入居者に提供するサービスに支障がない場合には、この限りでない。
(設備の基準)
第12条 無料低額宿泊所の建物は、建築基準法(昭和25年法律第201号)の規定を遵守するものでなければならない。
2 無料低額宿泊所の建物は、消防法(昭和23年法律第186号)の規定を遵守するものでなければならない。
3 前項の規定にかかわらず、無料低額宿泊所は、消火器の設置及び自動火災報知設備その他の防火に係る設備の整備に努めなければならない。
4 無料低額宿泊所には、次に掲げる設備を設けなければならない。ただし、社会福祉施設その他の施設の設備を利用することにより、当該無料低額宿泊所の効果的な運営を期待することができる場合であって、入居者に提供するサービスに支障がないときは、設備の一部を設けないことができる。
(1) 居室
(2) 炊事設備
(3) 洗面所
(4) 便所
(5) 浴室
(6) 洗濯室又は洗濯場
5 無料低額宿泊所には、必要に応じ、次に掲げる設備その他の施設の円滑な運営に資する設備を設けなければならない。
(1) 共用室
(2) 相談室
(3) 食堂
(1) 居室
ア 一の居室の定員は、1人とすること。ただし、入居者がその者と生計を一にする配偶者その他の親族と同居する等、2人以上で入居させることがサービスの提供上必要と認められる場合は、この限りでない。
イ 地階に設けてはならないこと。
ウ 一の居室の床面積(収納設備を除く。)は、原則として1人当たり7.43平方メートル以上とすること。
エ 居室の扉は、堅固なものとし、居室ごとに設けること。
オ 出入口は、屋外、廊下又は広間のいずれかに直接面して設けること。
カ 各居室の間仕切壁は、堅固なものとし、天井まで達していること。
(2) 炊事設備 火気を使用する部分は、不燃材料を用いること。
(3) 洗面所 入居定員に適したものを設けること。
(4) 便所 入居定員に適したものを設けること。
(5) 浴室
ア 入居定員に適したものを設けること。
イ 浴槽を設けること。
(6) 洗濯室又は洗濯場 入居定員に適したものを設けること。
(非常災害対策)
第13条 無料低額宿泊所は、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けるとともに、非常災害に対する具体的計画を立て、非常災害時の関係機関への通報及び連絡の体制を整備し、それらを定期的に職員に周知しなければならない。
2 無料低額宿泊所は、非常災害に備えるため、少なくとも1年に1回以上、定期的に避難、救出その他必要な事項について訓練を行わなければならない。
(運営規程)
第14条 無料低額宿泊所は、次に掲げる施設の運営についての重要事項に関する規程(以下「運営規程」という。)を定めておかなければならない。
(1) 施設の目的及び運営の方針
(2) 職員の職種、員数及び職務の内容
(3) 入居定員
(4) 入居者に提供するサービスの内容及び利用料その他の費用の額
(5) 施設の利用に当たっての留意事項
(6) 非常災害対策
(7) その他施設の運営に関する重要事項
2 無料低額宿泊所は、前項に規定する運営規程を定め、又は変更したときは、市に届け出なければならない。
(サービス提供の方針)
第15条 無料低額宿泊所は、入居者の健康保持に努めるほか、当該入居者が安心して生き生きと明るく生活できるよう、その心身の状況や希望に応じたサービスの提供を行うとともに、生きがいをもって生活できるようにするための機会を適切に提供しなければならない。
2 無料低額宿泊所は、入居者にとって当該無料低額宿泊所全体が一つの住居であることに鑑み、入居者が共用部分を円滑に使用できるよう配慮した運営を行わなければならない。
3 無料低額宿泊所は、プライバシーの確保に配慮した運営を行わなければならない。
4 無料低額宿泊所の職員は、入居者に対するサービスの提供に当たっては、懇切丁寧に行うことを旨とし、当該入居者に対し、サービスの提供を行う上で必要な事項について、理解しやすいように説明を行わなければならない。
(入居申込者に対する説明、契約等)
第16条 無料低額宿泊所は、居室の利用その他のサービスの提供の開始に際しては、あらかじめ、入居申込者に対し、運営規程の概要、職員の勤務の体制、当該サービスの内容及び費用その他の入居申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行うとともに、居室の利用に係る契約とそれ以外のサービスの提供に係る契約をそれぞれ文書により締結しなければならない。
2 無料低額宿泊所は、前項の契約又は当該契約の更新において、契約期間(1年以内のものに限る。ただし、居室の利用に係る契約については、建物の賃貸借契約(借地借家法(平成3年法律第90号)第38条の規定による定期建物賃貸借を除く。)の場合は、1年とする。)及び解約に関する事項を定めなければならない。
3 無料低額宿泊所は、前項の契約期間の満了前に、あらかじめ入居者の意向を確認するとともに、法第14条の規定に基づき市が設置する福祉に関する事務所(以下「福祉事務所」という。)その他の県又は市町村の関係機関と、当該入居者が継続して無料低額宿泊所を利用する必要性について協議しなければならない。
4 無料低額宿泊所は、第2項の解約に関する事項において、入居者の権利を不当に狭めるような条件を定めてはならない。
5 無料低額宿泊所は、第2項の解約に関する事項において、入居者が解約を申し入れたときは、速やかに当該契約を終了する旨を定めなければならない。
6 無料低額宿泊所は、第1項の契約又は当該契約の更新において、入居申込者に対し、保証人を立てさせてはならない。
ア 無料低額宿泊所の使用に係る電子計算機と入居申込者の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法
8 電磁的方法は、入居申込者がファイルの記録を出力することにより文書を作成することができるものでなければならない。
9 第7項第1号の電子情報処理組織は、無料低額宿泊所の使用に係る電子計算機と、入居申込者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織とする。
(入退居)
第17条 無料低額宿泊所は、入居予定者の入居に際しては、その者の心身の状況、生活の状況等の把握に努めなければならない。
2 無料低額宿泊所は、入居者の心身の状況、入居中に提供することができるサービスの内容等に照らし、無料低額宿泊所において日常生活を営むことが困難となったと認められる入居者に対し、その者の希望、その者が退居後に置かれることとなる環境その他の事情を勘案し、その者の状態に適合するサービスに関する情報の提供を行うとともに、適切な他のサービスを受けることができるよう必要な援助に努めなければならない。
3 無料低額宿泊所は、入居者の退居に係る援助に際しては、福祉事務所その他の県又は市町村の関係機関、相談その他の支援を行う保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者その他の関係者との密接な連携に努めなければならない。
(利用料の受領)
第18条 無料低額宿泊所は、入居者から利用料として、次に掲げる費用を受領することができる。
(1) 食事の提供に要する費用
(2) 居室使用料
(3) 共益費
(4) 光熱水費
(5) 日用品費
(6) 基本サービス費
(7) 入居者が選定する日常生活上の支援に関するサービスの提供に要する費用(当該無料低額宿泊所が日常生活支援住居施設である場合に限る。)
(1) 食事の提供に要する費用 食材費及び調理等に関する費用の額に相当する金額とすること。
(2) 居室使用料
ア 当該無料低額宿泊所の整備に要した費用、修繕費、管理事務費、地代に相当する額その他の経費の額を基礎として合理的に算定された金額とすること。
イ アに規定する金額以外に、敷金、権利金、謝金その他名目のいかんを問わず、金品を受領しないこと。
(3) 共益費 共用部分の清掃、備品の整備その他の共用部分の維持管理に要する費用の額に相当する金額とすること。
(4) 光熱水費 居室及び共用部分に係る光熱水費の額に相当する金額とすること。
(5) 日用品費 入居者本人が使用する日用品の購入費の額に相当する金額とすること。
(6) 基本サービス費 入居者の状況把握等の業務に係る人件費、事務費その他の経費の額に相当する金額とすること。
(7) 入居者が選定する日常生活上の支援に関するサービスの提供に要する費用
ア 人件費、事務費その他の経費の額(前号の基本サービス費に係るものを除く。)に相当する金額とすること。
イ 日常生活支援住居施設として受領する委託費を除くこと。
(食事)
第19条 無料低額宿泊所は、入居者に食事を提供する場合、量及び栄養並びに当該入居者の心身の状況及び嗜好を考慮した食事を、適切な時間に提供しなければならない。
(入浴)
第20条 無料低額宿泊所は、入居者に対し1日に1回の頻度で入浴の機会を提供しなければならない。ただし、やむを得ない事情があるときは、あらかじめ、当該入居者に対し当該事情の説明を行うことにより、1週間に3回以上の頻度とすることができる。
(状況把握)
第21条 無料低額宿泊所は、原則として1日に1回以上、入居者に対し居室への訪問等の方法による状況把握を行わなければならない。
(施設長の責務)
第22条 施設長は、無料低額宿泊所の職員の管理、入退居に係る調整、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行わなければならない。
2 施設長は、職員にこの章の規定を遵守させるために必要な指揮命令を行うものとする。
(職員の責務)
第23条 無料低額宿泊所の職員は、入居者からの相談に応じるとともに、適切な助言及び必要な支援を行わなければならない。
(勤務体制の確保等)
第24条 無料低額宿泊所は、入居者に対し、適切なサービスを提供できるよう、職員の勤務体制を整備しておかなければならない。
2 無料低額宿泊所は、職員に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保しなければならない。
3 無料低額宿泊所は、職員の処遇について、労働に関する法令の規定を遵守するとともに、職員の待遇の向上に努めなければならない。
(衛生管理等)
第25条 無料低額宿泊所は、入居者の使用する施設、食器その他の設備又は飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講じなければならない。
2 無料低額宿泊所は、当該無料低額宿泊所において感染症、熱中症、食中毒又は害虫が発生し、又はまん延しないように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(日常生活に係る金銭管理)
第26条 入居者の金銭の管理は、原則として、当該入居者が行わなければならない。ただし、金銭の適切な管理を行うことに支障がある入居者であって、無料低額宿泊所による金銭の管理を希望するものの金銭のうち、日常生活に係るものについては、次に掲げるところにより無料低額宿泊所が管理することを妨げない。
(1) 成年後見制度その他の金銭の管理に係る制度をできる限り活用すること。
(2) 無料低額宿泊所が管理する金銭は、当該入居者に係る金銭及びこれに準ずるもの(これらの運用により生じた収益を含む。以下この条において「金銭等」という。)であって、日常生活を営むために必要な金額に限ること。
(3) 金銭等を無料低額宿泊所が有する他の財産と区分すること。
(4) 金銭等は当該入居者の意思を尊重して管理すること。
(5) 第16条第1項に規定する契約とは別に、当該入居者の日常生活に係る金銭等の管理に係る事項のみを内容とする契約を締結すること。
(6) 金銭等の出納を行う場合は、無料低額宿泊所の職員が2人以上で確認を行う等の適切な体制を整備すること。
(7) 入居者ごとに金銭等の収支の状況を明らかにする帳簿を整備するとともに、収支の記録について定期的に入居者本人に報告を行うこと。
(8) 当該入居者が退居する場合には、速やかに、管理する金銭等を当該入居者に返還すること。
(9) 金銭等の詳細な管理方法、入居者本人に対する収支の記録の報告方法等について管理規程を定めること。
(10) 前号の管理規程を定め、又は変更したときは、市に届け出ること。
(11) 当該入居者が被保護者である場合は、当該入居者の金銭等の管理に係る契約の締結時又は変更時には、福祉事務所にその旨の報告を行うこと。
(12) 金銭等の管理の状況について、市の求めに応じて速やかに報告できる体制を整えておくこと。
(掲示及び公表)
第27条 無料低額宿泊所は、入居者の見やすい場所に、運営規程の概要、職員の勤務の体制その他入居者のサービスの選択に資すると認められる事項を掲示しなければならない。
2 無料低額宿泊所は、運営規程を公表するとともに、毎会計年度終了後3月以内に、貸借対照表、損益計算書等の収支の状況に係る書類を公表しなければならない。
(広告)
第28条 無料低額宿泊所は、当該無料低額宿泊所について広告をする場合は、その内容が虚偽又は誇大なものであってはならない。
(自己点検及び外部評価)
第29条 無料提供額宿泊所は、その提供するサービスについて定期的に自己点検を行い、その結果を入所者に周知しなければならない。
2 無料低額宿泊所は、その提供するサービスについて外部の者による評価を行い、その結果を公表するよう努めなければならない。
(記録の整備)
第30条 無料低額宿泊所は、設備、職員及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。
2 無料低額宿泊所は、入居者に提供するサービスの状況に関する次の各号に掲げる記録を整備し、その完結の日から5年間保存しなければならない。
(1) 提供した具体的なサービスの内容等の記録
(2) 第32条第2項に規定する苦情の内容等の記録
(3) 第33条第2項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録
(秘密保持等)
第31条 無料低額宿泊所の職員は、正当な理由がなく、その業務上知り得た入居者の秘密を漏らしてはならない。
2 無料低額宿泊所は、当該無料低額宿泊所の職員であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た入居者の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。
(苦情への対応)
第32条 無料低額宿泊所は、その提供したサービスに関する入居者の苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口の設置その他の必要な措置を講じなければならない。
2 無料低額宿泊所は、前項の苦情を受け付けた場合は、当該苦情の内容等を記録しなければならない。
3 無料低額宿泊所は、その提供したサービスに関し、市から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。
4 無料低額宿泊所は、市からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を市に報告しなければならない。
5 無料低額宿泊所は、法第85条第1項の規定による運営適正化委員会の調査にできる限り協力しなければならない。
(事故発生時の対応)
第33条 無料低額宿泊所は、入居者に対するサービスの提供により事故が発生した場合は、速やかに市、当該入居者の家族その他の関係者に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。
2 無料低額宿泊所は、前項の事故の状況及び事故に際して採った処置について記録しなければならない。
3 無料低額宿泊所は、入居者に対するサービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。
(サテライト型住居の設置)
第34条 無料低額宿泊所は、本体となる施設(入居定員が5人以上10人以下のものに限る。以下この条において「本体施設」という。)と一体的に運営される附属施設であって、利用期間が原則として1年以下のもの(入居定員が4人以下のものに限る。以下「サテライト型住居」という。)を設置することができる。
2 サテライト型住居は、入居者へのサービス提供に支障がないよう本体施設からおおむね20分で移動できる範囲に設置するものとする。
附則
(居室に関する経過措置)
2 この条例の施行の際、現に生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律(平成30年法律第44号)第5条の規定による改正前の法第69条第1項の規定による届出がなされている無料低額宿泊所が、事業の用に供している建物(基本的な設備が完成しているものを含み、この条例の施行の日以後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。)について第12条第6項第1号ア及びエからカまでの規定は、この条例の施行の日から3年間は、適用しない。