○診療報酬明細書等の開示に係る取扱要領
令和7年1月14日
診療報酬明細書等の開示に係る取扱要領(平成10年9月7日制定)の全部を改正する。
第1 目的
この要領は、鳥取市が行う国民健康保険における診療報酬明細書、調剤報酬明細書及び訪問看護療養費明細書(以下「レセプト」という。)について、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「法」という。)にもとづく開示請求があった場合における取扱いに関し、必要な事項を定め、鳥取市が行う国民健康保険におけるレセプトの開示業務の円滑かつ適正な遂行に資することを目的とする。
第2 開示対象レセプトの範囲
開示の対象は、鳥取市が保管する国民健康保険のレセプトとする。
第3 開示請求を行いうる者の範囲
法第76条の規定にもとづき、次に掲げる者に限り開示請求に応じること。なお、死者に関する情報は、個人情報に該当しないため、被保険者が死亡している場合にあっては、開示請求の対象とならない。しかし、死者の情報が同時に自分の個人情報に該当する場合においては、開示請求の対象になることがあるので、事案に即して判断することとする。
被保険者等
(1) 国民健康保険の被保険者本人(被保険者であった者を含む。以下「被保険者」という。)
(2) 被保険者が未成年者又は成年被後見人である場合における法定代理人
(3) 被保険者本人が開示請求をすることにつき委任をした代理人(任意代理人)
第4 開示請求に応じる手続
被保険者等から開示請求があった場合は、当該開示請求を行う者(以下「請求者」という。)の利便性を考慮し、本人に過重な負担を課すものとならない範囲において、国民健康保険業務担当課において受付を行うことができる。この場合、開示等総合窓口(公文書管理室。以下「開示等総合窓口」という。)に受付番号を照会する。なお、遺族等から開示請求があった場合は開示等総合窓口において手続を行う。
第5 業務処理方法
1 被保険者等からの開示請求の場合
(1) 開示請求に係る書類の受付
開示請求の受付に当たっては、鳥取市個人情報保護事務取扱要綱(平成15年4月1日制定)第6に沿って行うこととする。なお、受け付けした開示請求書は、公文書管理室へ送付する。
この場合、当該開示請求を行う者に対し、別紙1「診療報酬明細書等の開示請求をされる方へのお知らせ(本人用)」を必ず配布又は送付するとともに、次に掲げる事項を十分説明し理解を求めること。
① 請求者の本人確認の必要性
② 保険医療機関、指定訪問看護事業者(以下「保険医療機関等」という。)に対する事前確認の必要性
③ 診療報酬明細書等の「傷病名」欄、「摘要」欄、「医学管理」欄、全体の「その他」欄、「処置・手術」欄中の「その他」欄及び「症状詳記」(以下「傷病名等」という。)を伏せた開示を希望する場合は、保険医療機関等に対する事前確認は要しないこと
④ 調剤報酬明細書については、開示請求があったことを事後的に調剤薬局にお知らせする旨
⑤ 本人の診療上支障が生ずると考えられる場合については開示できない旨
⑥ 開示請求のあったレセプトが存在しない場合については開示できない旨
⑦ 診療内容に係る照会については対応できない旨
⑧ レセプトには必ずしも診療内容全てが記載されているものではない旨
⑨ 交付の方法について
⑩ 交付までの所要日数について
⑪ 開示請求に必要な書類について
⑫ レセプトの写しの交付及び郵送による開示を希望する場合は費用がかかる旨
(2) 保険医療機関等への照会
レセプトの開示に当たっては、開示することによって本人が傷病名等を知ったとしても本人の診療上支障が生じないことを事前に保険医療機関等に対して確認すること。
当該レセプトを開示することにより本人の診療上支障が生じない場合については「開示」、診療上支障が生じる部分を伏して開示する場合については「部分開示」、当該レセプトを開示することにより診療上支障が生じる場合については「不開示」と区分すること。
なお、部分開示又は不開示とすることができるのは、レセプトを開示することによって、患者本人に重大な心理的影響を与え、その後の治療効果等に悪影響を及ぼす恐れがある場合に限られるため、部分開示又は不開示との回答については、その理由もあわせて記入を求めるとともに、開示が可能となる時期についてもできる限り記入してもらうよう努めること。
また、部分開示又は不開示の理由の記入が無い場合や回答期限が経過しても回答が無い場合については、当該保険医療機関等に対し電話等により回答の要請をするなど適切な対応を図ること。
ただし、(1)③の説明を行った結果、傷病名等の記載を不開示にする取扱いについて請求者が同意した場合は、保険医療機関等への照会は行わないこと。
なお、当該調剤報酬明細書を開示する場合においては、当該調剤レセプトを発行した保険薬局に対し「調剤報酬明細書の開示について(お知らせ)」(様式第3号)によりその旨を速やかに事後連絡すること。
(3) 開示、部分開示又は不開示の決定
保険医療機関等より、当該レセプトについて前記(2)の回答があった場合にあっては、その回答を踏まえ、開示、部分開示又は不開示を決定すること。また、(1)③の説明を行った結果、傷病名等の記載を不開示にする取扱いについて請求者が同意した場合は、部分開示を決定すること。
法定代理人又は任意代理人(以下「法定代理人等」という。)からの開示請求による場合は、原則として被保険者に対しレセプトの開示を行う旨の説明を行った後、法定代理人等に対して開示を行うものとすること。
なお、次に掲げる場合にあっては、当該レセプトについては開示の取扱いとすること。
① 保険医療機関等に対し照会を行った際に示した回答期限内に当該保険医療機関等から回答がなかった場合において、電話等により回答の要請をしてもなお回答が得られないとき。
(ただし、主治医と連絡中である等遅延に相当な事由が認められる場合を除く。)
② 当該保険医療機関等の廃止等の事情により、保険医療機関等に対して前記(2)の照会を行うことができない場合。
③ 照会の結果、送達不能で返戻された場合において、当該保険医療機関等を管轄する地方厚生(支)局に確認してもなお当該保険医療機関等の所在が確認できないとき。
④ 照会の結果、部分開示・不開示の理由が記載されていない場合において、理由の記載を要請してもなお回答が得られないとき。(ただし、主治医と連絡中である等遅延に相当な事由が認められる場合を除く。)
(4) 部分開示・不開示の場合の理由等の記載について
部分開示・不開示の決定を行う場合については、その理由((1)③の説明を行った結果、傷病名等の記載を不開示にする取扱いについて請求者が同意したことにより部分開示を行った場合は、その旨)を決定通知書に記載することとする。
また、保険医療機関等から開示が可能となる時期が示されている場合には、その時期についても記載するものとする。
(5) 不存在の場合の取扱い
開示請求があったレセプトについて、調査してもなおその存在が確認できない場合は「不存在」とし、鳥取市個人情報の保護に関する法律施行細則(令和5年規則第9号。以下「細則」という。)第4条第2項に規定する保有個人情報不開示決定通知書により速やかに請求者に通知すること。
この場合、開示しない理由の欄に、レセプトの存在が確認できない旨(又は、保存期間が経過したため既に廃棄している旨)を記入すること。
(6) 再審査請求中又は返戻中のレセプトの取扱い
再審査請求中又は返戻中のレセプトについて開示請求があった場合には、基本的には、戻ってきたレセプトについて、開示等の決定をすることとするが、再審査請求前又は返戻前のレセプトの開示請求があった場合は、前記(2)により、保険医療機関等へ本人の診療上支障が生じないか照会した上で決定を行うこと。その際の手続きについては、前記(3)~(5)によるものとする。
(7) 保険医療機関等への連絡
(1)③の説明を行った結果、傷病名等の記載を不開示にする取扱いについて請求者が同意したことによりレセプトを部分開示した場合には、そのレセプトを発行した保険医療機関等に対し、その開示した旨(開示に関する、受診者、請求者、開示年月日及び診療年月の情報)を速やかに連絡すること。
(8) 「開示が可能となる時期」の到来時の取扱い
部分開示((1)③の説明を行った結果、傷病名等の記載を不開示にする取扱いについて請求者が同意したことにより部分開示を行った場合を除く。)又は不開示の決定を行った場合であって、開示が可能となる時期が保険医療機関等から示されている場合は、当該時期が到来次第レセプトを開示すること。
ただし、保険医療機関等から事情が変わった旨の連絡があった場合は除く。
2 遺族等からの開示請求の場合
(1) 開示請求に係る書類の受付
開示等総合窓口において開示請求を受け付けた場合、当該開示請求を行う者に対し、別紙2「診療報酬明細書の開示請求をされる方へのお知らせ(遺族用)」を必ず配布又は送付するとともに、次に掲げる事項を十分説明し理解を求めること。
① 請求者の本人確認及び亡くなった方との関係性の確認の必要性
② 死者の個人情報は、開示の対象とならないため、全て開示できない場合がある旨
③ レセプトが第三者の個人情報である場合においては、全て開示ができない場合がある旨
④ レセプトを開示する場合については、レセプトを開示したことを事後的に保険医療機関等に連絡する旨
⑤ 開示依頼のあったレセプトが存在しない場合については開示できない旨
⑥ 診療内容に係る照会については対応できない旨
⑦ 交付の方法について
⑧ 交付までの標準的な所要日数について
⑨ 開示請求に必要な書類について
⑩ レセプトには必ずしも診療内容全てが記載されているものではない旨
⑪ レセプトの写しの交付及び郵送による開示を希望する場合は費用がかかる旨
(2) レセプトが第三者の個人情報となる場合
レセプトに第三者の個人情報が含まれている場合については、当該部分を不開示とし、当該部分を除いた部分の開示を行う。なお、開示・不開示等の決定を的確に行うため、必要に応じて細則第8条第1項に規定する保有個人情報の開示請求に関する意見照会書により、第三者に照会を行うこと。
(3) 不存在の場合の取扱い
請求があったレセプトについて、調査してもなおその存在が確認できない場合は「不存在」とし、細則第4条第2項に規定する保有個人情報不開示決定通知書により速やかに請求者に通知すること。
この場合、開示しない理由の欄にレセプトの存在が確認できない旨(又は、保存期間が経過したために既に廃棄している旨)を記入すること。
(4) 再審査請求中又は返戻中のレセプト情報の取扱い
再審査依頼中又は返戻中のレセプトについて開示請求があった場合には、基本的には、戻ってきたレセプトについて開示等の決定をすることとするが、再審査請求又は返戻前のレセプトの開示請求があった場合は、当該レセプトについて開示等の決定を行うこと。
(5) 保険医療機関等への連絡
レセプトを開示した場合には、保険医療機関等(調剤報酬明細書を開示する場合においては、保険薬局)に対し、「診療報酬明細書等の開示について(お知らせ)」(様式第4号)により、その旨を速やかに連絡すること。
3 「レセプト開示受付・処理経過簿」の整理
請求書の受付から開示等の連絡及び交付に至るまでの処理経過については、その都度「レセプト開示受付・処理経過簿」(様式第5号)、に記載し、進捗状況を把握すること。
第6 関係書類の整理保管
レセプト開示に係る一連の関係書類は、受付日毎に整理し保管すること。なお、関係書類の保存期間については10年とし、文書処理済(完結)となった年度の翌年度から起算するものであること。
附則
(施行期日)
1 この要領は、令和7年1月14日から施行する。
(経過措置)
2 この要領による改正前の診療報酬明細書等の開示に係る取扱要領により申請された開示請求については、なお従前の例による。