平成17年度鳥取市政懇話会 第1回「教育福祉部会」 議事録

日時:平成17年5月20日(金)午後1:30〜4:00

場所:鳥取市役所駅南庁舎第1会議室

出席者

議事内容

○委員 本日は、教育問題について17年度の検討課題の絞り込みをお願いします。

○委員 委員がまとめておられますので、報告をお願いいたします。

○委員 鳥取県警察本部生活安全部少年課から聞き取り調査をした結果、危機感をもった。
14歳から19歳までの軽犯罪が全国2位、人工中絶が全国1位、刑法に触れる犯罪は、鳥取市が1位、倉吉市の順。犯罪者の数は、16年は前年より減少しているなど。 原点は、幼児教育と子どもがおなかにいるときからの(母子手帳を受け取ったときからの)母親の教育。犯罪する中学生は、3から4歳までの発育過程に、虐待、親の離婚などなんらかの問題を抱えていた。保育士による親の教育が必要。テレビばかりで、親との対話がない家庭に問題がある。
親が子どもの実態を知らない。問題のある子どもの8割がそう。
全て自分の子どもだと思って接してほしい。
小学校高学年から正しい性教育を行うべき。
課外授業に取り入れるなどして、和紙、陶器、音楽など、鳥取県の伝統文化に触れる機会を学校で与える。
教育委員の形骸化があるのでは。どのような活動をしているのかが不透明。
学校で、聞き取りができなかった。一切実態を言わないという学校の態度が問題。
すぐにでも出来る、パトロール隊が重要。(地域ぐるみの声かけ運動)みんなが立ち上がって、行動に移さなければ何にもならない。学校も情報公開していくべき。

○委員 大人が見て見ぬふりをしている。
子どもは、注意しても口答えする。
ある教頭先生が、我々地域での活動に対して無関心であった。勝手に、自由にやってくださいという態度。どういう指導をしているのか。
教育委員が何をしているのか見えてこない。

○中川教育長 学校への聞き取りは事前に教育委員会を通してしてほしい。
教育委員は5人。現場に出ているし、苦情にも直接対応しているし、形骸化していないと思っている。長い方はいるが、現在は2期(8年)がいちばん長い。

○委員 説明にあった、テレビの見っぱなし、メディアや経験論で、はっきりとした科学的根拠がなく、傾向があるということ。そうならないようにできない環境にあることが問題で、そこが、根本であり、直して行く必要がある。親に興味がないのに、パトロール隊を実施するのではなく、親に参加してもらえるように計画をたててから活動する。
先生の教育の範疇は、家庭教育でない。地域教育については、学校側は、多少のお手伝い程度でいい。先生は、教科を教えるのが最大の仕事。道徳、しつけ、家庭のことはお手伝い程度。でないと、先生の本来の仕事である学力向上、強化に対する時間が減ってしまうということが起きている。すべてを学校教育に含めるのではなく、地域のことについては、学校は、お手伝い程度でいいのではないか。
以前のような専業主婦奨励時代から今は、働く親が増え、支援されている。時代の背景を考えるべき。

○委員 伝統文化を伝えることが重要。しかし、幼稚園から破壊されているのではないか。教育委員会からの指導はないのですか。

○中川教育長 教育委員会で担当している児童教育は、公立の幼稚園のみ。それ以外は福祉保健部が担当している。

○田辺参事 伝統行事は否定していない。生活に結びつき、四季折々の行事を保育園で行っている。ただし、ひな祭りや豆まきは、その行事の性質から、差別的な面で問題があってやっていない。保育園の地域性との関係もある。
幼児教育は、子どもの発達という意味では昔の方がほったらかしだった。保育園に長くいればいいというものではないし、施設にいる時間の長さでは、良し悪しは測れない。
生活のために働く親で、子どもと触れ合う時間が短くても、何か親子の絆はあるもの。
生活習慣が変わってきている。箸がもてない、オムツがとれないという子どもが増えた。保育士と長くいっしょにいても親の影響は大きい。保護者に関わっていかないといけないと思っている。
保育園で預かっていない子どもは、親子の関わりや地域とのかかわりが重要。

○委員 そういうことで、伝統行事が少しずつ壊されている。伝統行事についてきちんと教えるよう市の方から指導してください。

○田辺参事 検討していきます。

○委員 パトロール隊の活動は、「声かけ」ということ。取り締まりではなく、さみしい気持ちの支えになれたらいいという活動方針で。
そうすることで、地域として、大人として、子どもにできることは何なのかを話し合いたい。

○委員 何かが起きてから対応するのではなく、子どもの普段の振る舞いを見ていることが大事。

○委員 教育現場は、公開教育があって、オープンになってきている。問題は、公開教育に保護者とか関係者しか入れない。地域がもっと働きかけていけばいいのではないか。
子どもは個性がある。ボランティアで柔道教育に携わっている。(柔道などを通じて)先輩・友達との人間関係が育つことの経験を通じて実感している。
学校は、守備範囲が決まっている。親への支援が大事。親の応援を学校がしていく。
民生児童委員で話し合う場合に、障害者、高齢者を対象としたことはよく話し合われる。次世代育成についてはあまりしていない。
地域で子どもの誕生日を祝う。プライバシーの問題で市では、無理であろうから、地域がやればいいのではないか。
また、犯罪率が好転している原因の追及をしてみてはどうだろうか。

○委員 人工妊娠中絶率の高さを一番恐れている。コンドームの普及を進めるという水際作戦を繰り広げ、10代の人工妊娠中絶率を下げるべき。これは、全国にめずらしい取り組み、市の独自の政策として実施。
このデータは、エイズなど病気が広がっているという危険性も含んでいる。
コンドームの配布活動が以前はあった。運動する方も恥ずかしいことだが、コンドームをちゃんと使う教育をしていくべき。鳥取の、ここでしかない現象について、特化した新しい取り組みをして。
全国のエイズ防止活動のきっかけになるかもしれない。

○委員 鳥取の子どもを良い子に育てるためにはどこがどのように協働するべきか。子どもを取り巻く環境の中で、学校、家庭、地域、行政が役割分担し、かつ協働していくべき。それぞれの問題に対して誰が、何をしていくべきなのかはっきりさせる。これを議論していけばいいと思う。

○委員 コンドームの配布活動より、まずは、人工妊娠中絶しないように教育することが大事。教育は子どもに莫大な影響があるもの。

○委員 レジュメに沿って、家庭(親)の教育について話し合いましょう。抽象論ではなく、どんな施策を展開すべきかを議論し、必要な資料があるようでしたら、言ってください。

○委員 「家庭の日」を設けようではありませんか。毎月第3日曜日は「家庭の日」。仕事を休んで、子どもが家族と過ごす、お手伝いをさせるなど、テレビをみないで、家族で何かをする日。

○委員 「家庭の日」は、いっさい行政は公的行事をこの日に行わない?

○委員 公民館、学校は、もちろん休み。企業では、無理なところがあるかもしれませんが。学校はもちろん。部活もしない。実行できるかどうかは、親の権威にかかっている。親が誇りを持てない、子どもに左右されている。親の権威がなくなりつつある時代である。時代背景を認識すべき。

○委員 子育て中の親について、現状と解決方法を情報公開してほしい。危機的な実態を知ることで、そうならないように育てていく。おじいちゃん、おばあちゃんとのコミュニケーションの場を持つことが大事。公民館を利用して。

○委員 それは、地域社会の問題。では、誰が情報公開していくのか。そこで、教育委員会(行政)に頼まなければというように、その先を議論すべきではないでしょうか。

○中川教育長 行政の施策の方向性につきまして、意見をお聞かせください。放課後児童クラブの時間や延長保育の時間延長について、皆さんはどのように思われますか。

○委員 最近の親は、自分中心主義が多いから、延長をいう。時間延長させないといけないほど仕事があるのか。それならば、職場の点検が必要ではないか。

○委員 延長は本来の子育て支援ではないと思う。
子育ては親がするもの。子育て支援を時間で区切って考えていくべきではない。本当の子育て支援の意味を考えるべき。
子どもと親が一緒にふるさとを眺め、愛する心を育てるのが本当子育て支援、教育の姿ではないかと思う。そういう身近なこところから啓発をしていくことが大切なのではないでしょうか。

○委員 時間延長については、要望があれば応えた方がいいという気持ちは分かりますが、限界はある。あまり引き受けすぎるのはどうかと思う。常識の範囲で。
例えば、特殊な勤務などの親への対応、配慮などは検討すべき部分はあると思われるが、一般的には、家庭で対応していただくことが必要ではないか。家庭の生活習慣も大事である。

○委員 たとえば、課外授業などでの多少な延長というようなことは、仕方ないと思うが、それ以外は、大変なことではないでしょうか。

○委員 私は、延長には、反対派です。
だいたいの低学年の子どもが寝付くのは、どんなに遅くても9時というふうに学校では指導されていると思う。遅くなってしまうとご飯などその後の生活がずれていく。その時間に寝付くためには延長はふさわしくない。今の時間が限度ではないか。9時に寝かせるのを前提とし、子どもの発育も考えたら。

○中川教育長 延長保育で残っているのは、何%ぐらいですか?

○田辺参事 ほんとにごくわずかです。本当にその家庭に必要なのかどうかのチェックは掛けています。

○委員 子どもを健全に育てたいというのが本来の子育て支援の姿。そのための親の手助けをするんですが、親中心の考えで、子どもをほったらかしてなんてことになると本末転倒。

○田辺参事 延長保育は、多少、福祉の部分が関わってきますので。
9時までには寝ましょうといって啓発している。それぞれの家庭のリズムがあって難しい部分もある。
子育ての支援とサービスは別で考えるようにしている。親が家庭でしなければならないところはしてもらう。そうしないと子どもは育たない。

○委員 時間が無くなりましたので、これからの計画を立てたいと思います。子どもたちのために何ができるかを詰めていく。それぞれの意見を次回に持ち寄りたい。

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