○委員 やっぱりガイドさんが必要だと感じました。牛つなぎ石とか、かぎ型の道が敵の進入を防いでいるとか、いくらパンフやチラシがあっても、話で聴かないと分かりません。ガイドさんの体制を聞きたいんですが、一人旅の人にも対応できるか、何人くらい活動していらっしゃるか、ボランティアなのか、市のほうで多少の補助があるかなど知りたい。どこに行けばガイドさんを頼めるのかということも。
鹿野の小規模なコースはあれはあれでよいが、それにプラス何か付けないと弱い。鹿野の良さは亀井茲矩公。資料館のようなところで東南アジアとの貿易の分かるものを見せてもらえると良い。今回は食べられなかったが、鹿野そばも重要だと思います。観光地は食べ物が重要。山中鹿介の「我に七難八苦を与え給え」というのも、パロディを募集するなどしても良いでしょう。
とにかく宣伝の方法を考えれば、売り出すだけのものがたくさんある。あれを見て「鳥取城下町は何をしているのか」と恥じ入った。
○井上スタッフ 大きな観光地ではガイドが常駐する建物があったりしますが、鳥取ではまだそこまでは活動が進んでいなくて、ガイドを頼むのも分かりにくいですね。
食事も、水曜でなければそば道場や夢こみちで食事が取れたんですが、定休日なので山紫苑にした次第です。
○木村観光コンベンション推進課長 ボランティアは10人くらい。手当なしです。始めてから3年くらい。外部に研修に行ったり、スイスで観光ガイドの会社を経営する山田桂一郎氏の講習を受けて、お客さんの対応の仕方など技術的なサポートをしてもらったりしています。あとはそれぞれが見よう見真似で。大阪の西九条のガイドを見に行ったりもしました。「試食コース」があって、1人1,000円だそうです。鹿野はまだ無料でやっています。事前予約制です。
○委員 イタリアに行ったときにうまいガイドがいて、「日本の首相はこう言った」というような、今日の客のことを勉強して話に盛り込んで客をひきつけるという工夫をしていました。そういうテクニック必要だと思います。
○委員 ガイドさんの本職は。
○井上スタッフ あの方は今は農業ということでしたね。
○木村観光コンベンション推進課長 鹿野のまちづくり協議会の事務局長でもあります。
○委員 温泉に入ったのは私と池原委員だけでした。温泉はやはり夕方がいいと思います。昼に風呂というのは、相当の風呂好きでないと。
温泉が城下町と離れているので、レンタサイクルなどがないと不便だと思います。
○委員 城下町から遠いが、亀井公の南蛮貿易の資料が譲伝寺にあるとのこと。
この間たまたま城の近くに言ったら、光輪寺で夏休みに子どもを集めて「寺子屋」をやっていました。鹿野の人は親も代々ここで研修を受けてきているそうで。休み時間はいっしょに野球をしたり。
寺も多いようだし、あれだけでは見きれない。もう一度行きたいと思っています。
○委員 城の宝物館というか、美術品など当時のものが見られるところがあればいいのにと思います。寺にもあるということでしたら、公開してほしいですね。
○委員 立派な土蔵づくりの屋台収納庫だったが、中の屋台を紹介するようなものがあればよいと思いました。全体的に宣伝不足のように思います。
○委員 これだけ見るところがあるのはすばらしいと思います。城があまり前面に出ませんでしたが。
○委員 芸術的な感覚を刺激されて良いと思います。
○委員 良いと思います。鹿野ではこういうコースがあるんですか。
○井上スタッフ 今回のは私が作ったコースですが、パックツアーに組み込むときにもやはり同じようなコースでやっているようです。
○委員 正直言って藍染め体験よりも、もっと町をゆっくり見たかったと思います。
○委員 面白いと思います。こういうのは女性の方が好むと思います。Tシャツ3,000円は高いかもしれませんが、これは個人差があるかもしれません。夢本陣の1階に制作された藍染めを展示販売するとか、有名人(市長とか)の制作風景の写真を飾ったりしたら、また親しみが出てくるかもしれません。
○委員 藍染めは鹿野独特の産業というわけではないんですね。
○木村観光コンベンション推進課長 そうです。最初は小学校跡でやっていたんですが、古い民家を入手して、今のところでやるようになりました。仲間が6人くらいです。
○委員 宣伝のために、藍染めののれんを町の中につけたらどうでしょうか。
○木村観光コンベンション推進課長 岡山の勝山をモデルにして、祭りの時期にはそういうこともやっています。NPOで半分を補助して、80軒にのれんと提灯を整備しました。9月24日の虚無僧行脚でも、それらを各戸に飾って、八尾の「おわら風の盆」のようにまち並みを歩いていきます。
○委員 家の中から格子を通して家の外を眺められればいいんですが。家の方が観光客が入ってくることを嫌がることもあるでしょうが、そういう取組みもしていただければ。
○木村観光コンベンション推進課長 長野の小布施のように庭を見せてくれるような家は鹿野にはまだありません。鹿野がもっと観光を意識して、それぞれの家の方の意識が高まれば可能になるかもしれませんが、まだその段階には至っていません。ただ、いくつかそういう試みはあり、わったいな祭りでは自分のうちを開放して自分の作った作品を売ったりしています。
○委員 用瀬では、流しびなの日に玄関を開けて雛飾りを見せています。私も格子戸から町を見てみたい。
○委員 あれにはやはりプラスとマイナスの面があります。プラス面は、3軒を指定して見せるようになれば、他の家も刺激されて開放するようになります。マイナス面は、家に招き入れたら接待する必要があり、それが苦痛になる。
○木村観光コンベンション推進課長 用瀬と河原の旧中心街路はなかなかいい雰囲気を持っています。古い家並みが残っていて、特に用瀬では背戸川が流れています。流しびなの館だけではなく旧街路にお客さんを引き入れる必要があります。
また、確かに家の中から外を見るというのは非常に趣があります。鹿野の盆踊りでは、山陰放送が中から撮影した絵を放送しました。
○委員 法勝寺盆祭でも飾り付けを見せたりしますね。高知では屏風を並べたり。
○木村観光コンベンション推進課長 雛飾りをライトアップして、格子の外から眺めるというのも趣があると思いますが。そういう街路にマッチした取組みを地元がやる気になってくれば、観光の商業ベースに乗せることも可能だと思います。
○井上スタッフ ただ、用瀬には宿泊施設がない。
○委員 民宿も難しいし、そういう取組みもあまり前向きでないようです。
○委員 やはり自転車とガイドが必要でしょう。実現のほどは。
○木村観光コンベンション推進課長 確かに、少し離れたところのお寺にいろんな見るべきものが残っています。雲竜寺では廃寺になったところのふすま絵を集めたりして、相当な数の絵がそろっています。雪舟のだるま絵や鳥取の著名な絵師のものがあります。自転車の導入というのは必要だと思いますし、不可能ではないと思います。
○井上スタッフ 自転車スポットの中心を城下町のほうと温泉街のほうに置いて、相互に乗り捨てOKということにすればいいと思います。ガイドスポットは、お客さんが増えないことにはあまり効率が良くないでしょう。お客さんが増えてくれば徐々に整備していくということで。
○委員 ガイドの完全無料はあまり良くないでしょうね。ボランティアなら本業を優先されるでしょうし。拝観料込みで1,000円とか。
ちなみにバス会社の知り合いに確認したところでは、鳥取=鹿野の直通バスは難しいようですね。
○木村観光コンベンション推進課長 今タクシー会社にお願いしているのは、1日3万円のコース。鳥取のあちこちをゆっくりと回ってもらう。
○井上スタッフ とりあえず私の知っているところで鹿野を見ていただいたわけですが、別のところも見てみたいと思います。私の方では鳥取城下町をと考えていたんですが、ちょうど今日用瀬の資料をいただいたので、用瀬はいかがでしょうか。
○委員 地元の人間としてはあまりお勧めできないが。ただ、私が思っているのは、レンタサイクルで流しびなの館から旧街路のほうに招き入れたいとは思っています。流し雛も町で始まったものなので、町が主にならないと何にもならない。
○木村観光コンベンション推進課長 石垣の水路や寺の桜など、素材はたくさんあります。ライトアップなどで効果的に見せられると思います。
○委員 写真は要所要所を撮ってあるんですが、写真と実物は違いますので。写真はL版に延ばして写真集にして同窓生に配ったら「用瀬はこんないいところだったのか」と。
○井上スタッフ 鹿野なんかはそういう写真をホームページに写真集として掲載しています。
その他には。
○委員 河原の鬼の館の人と知り合いなんですが、古い家並みを残す旧街路の辺りの家が駐車場になりつつあるのを憂えています。部外者は「保存を」と言えても当事者は保存に金がかかる。高速道路が通れば、河原も忘れられてしまいます。
○委員 3年前にモニターツアーで河原を訪れたときには、旧街路に昔ながらの鍛冶屋が営業されていて、皆さん感激しておられました。
○木村観光コンベンション推進課長 今は閉めておられるようです。
○委員 鍛冶屋は粗い格子が特徴で、そのまま残しておられましたね。
○木村観光コンベンション推進課長 近くの岸医院も、古いガラスをそのまま使われています。造り酒屋の煙突とか。そこから河原城を見れば、風景的に非常にいいですね。
○委員 旧ごうぎんの煉瓦造りの建物も風情がありますね。今は個人所有のようですが。
○木村観光コンベンション推進課長 河原城にしても流しびなの館にしても、高速道路が通れば通過されてしまいます。それぞれ旧街路との連携で魅力作りをしないと。キーマンの存在次第でしょう。
○委員 鬼の館にはスタッフが8名おられます。ただ、鮎料理とか、素材を展開しきれていないところがあります。
○委員 用瀬は、公民館長はいかがでしょう。
○委員 忙しすぎるでしょう。
○委員 八百谷さんが用瀬にも思い入れがあり、案内役として良いのでは。
○井上スタッフ それでは同じ国道53号沿いでもあり、1日で両方たずねたいと思います。11月のこの会をその視察に充てたいと思います。山本委員には河原の、須崎委員には用瀬の、それぞれ案内役を頼んでいただければと思います。
また、ボランティアガイドの活動も進んでいるようですし、今期中にぜひ鳥取城下町のツアーも行いたいと思います。