○福本部会長 本日の午前中に鳥取市内の観光協会の合併調印式を済ませてきたところ。今後は一体的に観光振興施策を展開していく。
道路特定財源が今後一般財源化されることを心配している。おそらく福祉関連の事業に使われていくのではないか。鳥取自動車道には影響ないとは思うが、山陰道の進捗に大きな影響があるのではなかろうか。
鳥取自動車道は、2年後には河原まで開通することになる。これまでも高速道路の整備推進や利活用のためにいろいろと活動してきたところだが、まだまだ進んでいない。先日もシンポジウムに参加したところだが、いつまでもシンポジウムばかりしていても仕方がない。これからは、来訪者の大半を占めると思われる関西の人の懐に入り込んで、関西にない鳥取の魅力を売り込んでいかなければいけない。
今日の協議の中で具体的な行動につながる意見をいただければ。
○井上スタッフ 事務局としては案を3つほど用意しています。1つは2009年鳥取自動車道開通に向けて市が取り組むべき課題は何か。2つ目は昨年度から継続している「文化をテーマにした体験型観光について」。3つ目は、平成16年度にまとめていただいてそのままになっている「ふるさと麒麟回廊」の具現化です。
○委員 ぜひ「ふるさと麒麟回廊」を具現化したい。今年度鳥取観光コンベンション協会が観光大学を立ち上げ、このたび第1期生59名が卒業する。非常に質の高いものができつつある。この卒業生であるマイスターたちに「ふるさと麒麟回廊」を活用してもらって、商品化したい。それが2009年の鳥取自動車道開通のための準備にもつながる。どのように具現化していくかを考えたい。
○委員 「ふるさと麒麟回廊」でまとめた題材を掘り下げていくのが大事。それぞれの場所を実際歩いて体験して、点ではなく線のルートにしたい。急いでそういうルートづくりにかかった方がよい。
○委員 京都では「極上の休日 京の2日間」という、1人10万円とかというツアーがある。鳥取でも、10万円とまでは行かないまでも、温泉旅館とタクシー会社が提携して、鳥取のツアーコースをつくっておられるという実績もある。こういう場でしゃべっているよりも、現場を見て、「ここはルートに入れたほうがいい」というような作業をして、ルートに落とし込んでいく作業をした方がいい。
○委員 ここに列挙してある内容でつながりのある観光ができればよいと思う。大国主命の神話に関連した白兎の道の駅ができるが、これだけでも立派なもの。
東京の八芳園の先代の社長が佐治の出身の人で、顕彰碑を佐治に建てた。八芳園に30年勤続の社員に先代のふるさとを見せに鳥取に連れて来たいそうだが、「佐治の次にどこを見に行ったらいいだろうか」と聞かれた。そういった要望に応えられるように、ひとつひとつ具体化していければいいと思う。
○委員 いずれにしても、そういったまとめをしなければならないと思う。駆け足でも現場を見てみたい。このリストにない玄忠寺や観音院も網羅して視察したい。
○委員 「ふるさと麒麟回廊」はまさに姫鳥線の活性化施策にふさわしい。大伴家持にちなんだものと岡野貞一にちなんだものが、すぐに事業として成り立つのでは。
やはり、文化と風景が観光の大原則である。それを確認しながら回っていけば、姫鳥線の刺激になる。
○委員 文化と風景と食。とりひめ街道活性化協議会でも、商工会議所青年部が中心となって「鳥取カレーを売り出したい」ということで、カレーマップを作り、関西や中部にばら撒こうと計画している。こういうものを商品化することが2009年対応。
○林副市長 皆さんの意見に同感です。ただ、時間がないので全部できるか心配する。大伴家持、池田光仲、大国主命というテーマが取り組みやすいのでは。河原の道の駅と白兎の道の駅は大国主命、白うさぎ、八上姫でつながっている。2つとも4月21日にオープンの予定。
○委員 両方の道の駅の完成式に部会として出席させてほしい。
しゃんしゃん祭は、市民が主体として取り組みたいということで、民間主体の部会制にした。「ふるさと麒麟回廊」にしても、民間が主体になるべきだと思う。
2009年に関連したイベントのアイデアについては、今のところ経済同友会の「鳥取博覧会」しかない。文化観光部会としてはぜひ「ふるさと麒麟回廊」を商品として提案したい。
○竹内市長 文化観光部会には、活発な議論を重ねていただき、感謝しています。
観光は経済と不可分であり鳥取市の発展に大事な分野。松江と比べて劣っていると言われがち。合併によって、文化・観光という面では転換点を迎え、大いに伸びる可能性のある分野であり、花開かせたいと考えている。それには大きなきっかけが必要。それが鳥取自動車道の開通。2009年までの3年が準備を尽くすべき期間。
2009年にいきなり開通するわけではなく、平成19年には智頭のインターまで、平成20年には河原まで、鳥取インターは平成21年度に、年を追うごとに伸びていく。
2009年には、どういう名前にすべきかは分からないが、「鳥取博覧会」、あるいは「因幡の祭典」といった形で、東部一円の広域的な取組みとして、また但馬地方、鳥取県中部も含めて、都会からの観光客を強く引き付けていきたいというのが強い願い。文化観光部会から「しっかりやれ」と言っていただくだけでも心強い。
短期的な博覧会ではなく、今ある資源に磨きをかけ、しゃんしゃん祭、麒麟獅子、いろんな資源をネットワーク化し、大きくアピールしたい。1年かけてイベントを行えば、多くの観光客を引き受けられる。
○委員 但馬北部、鳥取東部と中部までで37万人の商圏が広がっている。また、このエリア自体が観光商品としても魅力的である。「ふるさと麒麟回廊」の具現化を今年度のこの部会の取組みとしたい。
○委員 たとえば、委員が1人ずつ、1泊2食のコース作りをするなど、素材の整理をしないといけない。「因幡の祭典」も重要なことだと思うが、ボリュームがあるので、どこまでできるか。
○委員 まずは現場を検証したい。
○井上スタッフ それでは、視察を1度行いたいと思います。1日である程度多くの箇所を回れるように設定し、事前に準備をしていただいて、現地滞在はわずかな時間のみとするということで。その後にその素材を組み合わせていってもらいます。
○委員 2009年のことについて、いろんな団体がいろんな意見を出しているが、それを束ねていくところがない。経済界なら商工会議所か。オブザーバーとしてでも、商工会の観光担当にこの文化観光部会に入っていただければ。ここで、話だけしていても実が伴わない。
○委員 このリストには鹿野、浜村、青谷が入っていない。まず、温泉を宿泊地の基本にした方がよい。
○委員 それぞれのコースに指定宿を設定すればよい。
○委員 JTBの支店長から「田舎の家を探している」と相談を受け、福部の左近を見学してもらったら、すぐに「買いとりたい」とのこと。1ヶ月とか2週間の滞在の別荘として使い、陶芸体験や田舎暮らしでのんびり過ごしてもらう。JTBは5、6年前からそういう滞在客のために、自宅の方を朝夕に窓を開けて風を通したり、ペットにえさをやったりするサービスを提供している。温泉だったら湯治によるロングステイ。
バスで団体で来てさっと帰る、という旅行スタイルの時代は終わった。
○委員 池内邸はいつオープンするか。食事などはできるのか。
○林副市長 「高砂屋」という名前で、4月1日にオープンします。環境大学生が運営していきます。食事は今準備をしているところです。
○委員 市報には歴史だけ書いてあるが、どういう使い方ができるか書いてない。
○林副市長 わらべ館ややまびこ館と連携して観光スポットとして、歴史を学んでいただくこともできるし、会議室としても利用できます。使い方を提案していただきたいとも思っています。
○委員 NHKなど、今年の豪雪の時には、旅館のあるようなところは雪は少ないのに一番奥の家だけを映して豪雪のイメージを植え付ける。それで旅館をキャンセルしてしまうということが多かったようだ。行政はそういう放送の仕方を抗議すべき。
○委員 一押しの自然・風景もツアーの中に組み入れていきたい。
○委員 酒三昧、温泉三昧というようなコースの作り方もある。
○委員 高知県では県を挙げて団塊の世代の誘致を始めている。旅行会社もそういう商品作りをしている。特異性のあるところに焦点を絞った商品作り。ただ、団塊の世代というのは生産性のある人たちではないが。
佐用には産婦人科がなく、鳥取がいちばん近いそうだ。「子供を産むには最適の鳥取」という売り出し方で、鳥取市立病院に来てもらう方法もあるかもしれない。
それでは、今年度は、形にしていくということで現地調査をし、歩いてみるということで一人一人がそれぞれにコースを作っていくという作業をしていきたい。
○井上スタッフ それではそのように準備をすすめていきたいと考えていきたいと思います。
○委員 ただ自然があるだけ、ただおいしいものがあるだけではダメ。鳥取の魅力の一つは「カニ」だが、カニ丼とかを作ると2千数百円で、高すぎる。1年間味わえるように、カニを冷凍して保存し、米と一緒に炊いてカニ飯を作り、お新香とカニ汁で800円、市内のどこでも食べられるようにする。博覧会を契機に「食」というテーマでこういった風に意見を束ねていければ。
○委員 2009年の鳥取自動車道開通によって、他県からお店、業者もたくさん入ってくる。鳥取の業者はもっと危機感を持たなければいけない。
○委員 企業が全国に投資し尽くして最後の地が鳥取。
○委員 こないだのシンポジウムでも「若い人は買い物に出て行く」というようなことを言っていたが。
○委員 それは確実。それを念頭に置いて、1,000人出たら1,000人入ってくるような施策を立てなければならない。旅行会社などはすでに大阪への買い物ツアーを組んでいる。バスの送迎のみで普通のバス代より安い。
ただ、大阪や神戸にないものが鳥取にはいっぱいある。どう過ごさせてどう食べさせるかをしっかりと考えなければいけない。
○委員 6月からグリーンツーリズム研究会ができる。「ハレ」の料理、1食5千円というようなジャンルと、鳥取の田舎のふるさと料理というジャンルがある。それらを絡めて2層、3層の提示をすればいい。智頭のみたき園に関西からわざわざああいう料理を食べに行くのだから。民間の人は「競争するとつぶれる人がいるからわざわざ競争しないんだ」と言うが、今度は県外から安くて美味い店が来る以上は、そんなことを言っていられない。
○委員 うちだけは大丈夫という気になっているのではないか。
○委員 京都で有名なとんかつ屋が既に鳥取に出店しており、これから何店舗も出すとのこと。そういう情報が山ほど入ってきている。これまでは基地が岡山だったからなかなか出られなかったが、高速道路ができたらルート配送ができるしチェーン店は増やした方が勝ち。鳥取の儲けがそっくりよその企業に持って行かれる可能性もないとも限らない。
そのために道をつけたのではない。もっとがんばらないと。
○委員 浜田市がそう。
○委員 浜田から広島まで1時間で行けるから、最初は通勤していたが、だんだん広島に移住するようになってしまった。浜田はじいちゃんばあちゃんばっかり。
ただ、鳥取は浜田とは条件が違うから、関西2千万人の市場からどれだけ儲けを吸い取れるか。
○委員 この間勝山のひな祭りを見に行ってきた。何が良いかというと、町の全軒がひなを飾っている。ひなのない家はこけしとかぬいぐるみとか紙人形とか、300mくらいの通りの両側の家が何かを飾っている。市役所にもロビーに飾ってあって、職員ははっぴを着て仕事していて、「トイレは自由に使ってください」ということになっていて、全員参加の意識が徹底している。
○委員 この間のシンポジウムに元高知市長で三翠園の社長の松尾さんが来ておられたが、山内家ゆかりの宿ということで、大河ドラマの影響で、今のこの春先だけでも3割増しだということ。
前からテレビドラマの誘致の運動をしてきたが、大河ドラマはどうにもならないようで、最近はNHKの「朝ドラ」の提案をしている。可能性のあるテーマは、ひとつは「遠山正瑛物語」、もうひとつは三木露風の「赤とんぼ」。この二つを街じゅうで応援したら、可能性があると思う。大阪制作の時に、2009年に合わせて運動したらどうかと思っている。
ところで、4月8日にはぜひお城まつりを見学してほしいと思っている。今年は桜まつりとお城まつりを合体した新しい形になっている。そのように事務局からそのように委員の皆さんに案内をしてほしい。