日本では、毎年4月が年度初めですね。3月の月末に年度が終わり、翌日から新年度。役所や会社、さらに各種の学校なども卒業生を送り新しい年度への準備に忙殺されます。大学もこの例に漏れず、4月が新学年のはじまり。この学期始めを、欧米の学期に合わせて9月入学とするような考えで準備に入っている大学もあるようです。新しい学期制です。
この新学期と言う区切りに、歩調を合わせるつもりはありませんが、ここで改めて星座って何だろう、と考えてみるのも良いのではないでしょうか。
夜空に輝く星々。何の不思議も感じずに見上げていて、あそこは○○座でここはXX座などと言いますね。早く言うと、星空を区切って覚えやすく、また知りやすくしている手立てなのです。年度初めや学期始めも、これは時間や範囲を区切っているものと思えば、同じような考え方なのかも知れません。
人は誰でも、目立つものには注意します。夜空で光るもの、つまり星に対しても同様でしょう。そして、最も肝心なことは星は人間が地球上に誕生した時にはすでに空で輝いていたことです。人間は、誕生した時から現在まで、何世代にもわたって星に見守られ、見つめられていたのです。その星の一個づつに名前を付けて覚えやすくする事も当然に行われたでしょう。この星達を線で結びあわせて骨格を作り、自分たちに縁のある神や動物に似させて、自分たちだけの呼び名で呼んでいたでしょう。こうしてできたのが星座ではないかと考えるのです。星座が作られたからこそ、誰でもが親しみを持って、楽しく星を見上げ、あれこれ考えることができるようになったのでしょう。
今、貴方は何処に住んでいますか?住所は?と聞かれたら、何と応えるでしょう。きっと○○国○○県○○郡○○町○○のXXX番地、と応えるでしょう。其れと同じように星空の区割りとインデックスと考え、そこに物語を見つけると、貴方自身の立派な星座になりませんか?一人だけの、自分だけの星座の物語ですが、一寸だけ困るのは誰も認知してくれていないことでしょうね。認知されないと、メールも郵便も正確には届きません。「宛先にその人が見当たりません」、と付箋が付いて返送されます。
この不便、不自由を解決するのが、世界共通のアドレスです。現在、何億人ものメール使用者がいます。メールアドレスの最後の略号が国名ですね。しかも、同じアドレスはありません。このことと、星座の区割りは全く同じような背景によるものと考えましょう。
星々を 線で結んだ 夢のあと 香西蒼天
何の不思議も感じないで見上げる夜空の星々ですが、古人の考えや夢、さらに未来への希望などで作られたり、時代を反映する事物などを天に上げて記念としたと思うと、驚きと共に畏敬の思いを深くしますね。
星空が 区切られ残る 世界遺産 香西蒼天
星空を 見上げて気づく 文化財 香西蒼天
私は、かねがね星座は古代の文化を残した夜空の記念碑で人類共通の文化遺産だと感じ、この文化史を紐解くことは一種の考古学だと思い、天文学は考古学と言い続けています。人類共通の、夜空の文化遺産を大切に、そしてこの文化遺産が空言(そらごと)にならぬよう空を大切にしたいものです。
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