天文セミナー 第89回
『宇宙は水である?』『ギリシャとローマ』
ギリシャの哲学者ソクラテスの第一の弟子がプラトン。この、プラトンによって師ソクラテスの名前が広く世間に広まったとも言われています。そして、このプラトンによって、ギリシャ哲学の祖、タレスにまつわる逸話が伝えられているそうです。
さて、現在の天体物理学と宇宙論は、宇宙はビッグバンに因って始まったと教えてくれています。宇宙が膨張していることを示す観測が基礎になっての考えです。これは、ハッブルと言う天文学者が、遠い銀河ほど速い速度で遠ざかっているという、速度と距離の関係を発見したことに始まります。 |
星座にまつわる物語と言えば、誰でも先ず思い付くのがギリシャ神話でしょう。ホメロスという人が書き残したと伝えられる長編叙事詩「イリアッド」と「オデッセイア」。この叙事詩は、今からおよそ3500年前にギリシャとトロイが、王妃ヘレンを巡って争った物語です。この物語に登場する英雄や勇士が、後にギリシャ神話の主要な登場人物?になったのでした。ところで、天文学の発達の上で大きな功績をあげたコペルニクスやケプラー、そしてガリレオなどが輩出されたのは、ルネッサンス時代。13世紀末から16世紀初めの頃のことです。さて、このルネッサンスとは日本語で「文芸復興」とか「学芸復興」と呼ばれていますが、そもそも「再生」を意味する言葉なのです。再生を意味するからには、その源がなくてはなりませんね。では、その源とは、何でしょう。
ギリシャ神話に登場する神々が、名前を変えられてローマ神話に再登場します。ローマが、その前に栄えたギリシャ文化、すなわちヘレニズム文化に大きな影響を受けていたからです。ルネッサンスとは、神が主役であった中世に別れを告げ、人間性を重視したギリシャ・ローマ時代に回帰しようとする考えのことだったのです。こうして、現代に続くギリシャ・ローマ神話が作られ、星座の伝説として伝えられたのです。 |
次回も、お楽しみに |