天文セミナー 第69回
『弥生三月』『地球を測る掩蔽(えんぺい)観測』
「願わくば 花の下にて春死なむ その如月の望月のころ」 西行法師
「霞み立つ 長き春日を子どもらと 手まりつきつつ今日もくらしつ」 良 |
人工衛星が打ち上げられ、地球物理学に貢献するようになるまで、地球の大きさについては多くの議論がありました。世界地図を広げてみると、まず海のほうが陸地の面積より大きいことに気付きます。地球の表面のおよそ70%が海だそうです。
この理論を応用して、大陸間の距離、言い換えると地球の大きさを求めようとしたのです。この理論は日本人に依って発展され、太平洋の島伝いにアメリカ大陸まで伸ばされたのです。現在、日本の海上保安庁水路部は、3箇所の水路観測所で、晴れた夜毎に行っているのが、星食の観測。高精度での恒星の位置の決定と、月の軌道の高精度化が目標。これらは何れも、船舶の安全な航行を支援するため地球の大きさを測定しているのだと言っても過言ではないでしょう。
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次回も、お楽しみに |