天文セミナー 第67回
『スプートニクとエクスプローラー』『夜道で誰何(だれだ!)』
1957年に始まった国際地球観測年(IGY)。この国際観測が計画された初期の段階で、アメリカは人工衛星による地球近傍の太陽系空間を観測する計画を発表していました。
そして、翌年の1958年1月。満を持していたアメリカが打ち上げに成功しました。エクスプローラーと名づけられた人工衛星です。こうして、ソ連とアメリカの国威を賭けた宇宙開発が、世界の注目を浴びながら始まったのでした。 |
毎年の年初を飾る天文現象は、なんと言っても四分儀座の流星群。今では、なくなってしまった星座ですが、なぜだか流星群の名前としてその名残をとどめています。 ところで、東京ではどうだったのでしょう。三鷹市の東京天文台も1950年代には、暗い夜空がありました。この三鷹の構内と、およそ5km南の川崎市細山地区に写真望遠鏡を設置して流星の2点観測を実施していました。そして、川崎へは自転車によって観測に通うのでした。冬。寒風に吹かれながらの、一種の通勤。しかも深夜や早朝。防寒具に身を固めての自転車漕ぎです。川崎までの途中、多摩川を渡ったところに交番。運悪く立ち番の警察官に出会い「誰何(だれか)」と不審尋問。天文台の研究者である旨を告げ「ご苦労様 」との言葉とともにやっと開放。この事例をきっかけに身分証明書が発行され、携行が義務付けられたのでした。
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2003年1月の星空 |
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次回も、お楽しみに |