天文セミナー 第58回
『満天星の花』『分割された星座』
この露地の あかるきは満天星の 咲きにける 水原秋桜子
佐治村の隣町、智頭町はこのどうだんつつじの栽培が盛んな町として知られています。そして、「満天星」と名づけられた銘酒が特産品の一つとして、さじアストロパーク内にあるふるさとペンション「コスモスの館」でも販売されているのです。もうお馴染みかもしれませんね。そして、この「どうだんつつじ」が満開になると、さながら枝全体に星がぶら下がったように見えるのです。佐治天文台の構内も、この「満天星」が咲き乱れ、そして夜空は満天の星で埋め尽くされます。 |
「そこには大地あり天空あり海がある。疲れを知らぬ陽があり、満ち行く月、また天空を彩る星座がすべて描かれているーーーーすばる(プレアデス)に雨星(ヒアデス)、さらに力強いオリオン、また熊座・・・・(後略)」(松平千秋訳、岩波文庫)。ホメロス(紀元前9世紀頃)の作として知られるギリシャ最古の叙事詩「イリアス(英語読みではイリアッド)」の一節で、この物語はトロイア戦争をめぐる英雄たちの活躍を歌い上げた物語です。
南の空に懸かる大きな星座なので、日本では全体を見ることはできませんが、南の国オーストラリアで仰ぎ見たとき、あまりの大きさにカノープスしか確認できなかったのが残念でした。 |
次回も、お楽しみに |