天文セミナー 第57回
『3月3日ひな祭り』『佐治天文台の写真』
草の戸も 住み替わる代ぞ 雛の家 松尾芭蕉
三月三日。雛飾りを囲んで楽しい遊びに興じる女の子。夕方になるのも忘れ果てていることでしょう。気が付くと、夕空に三日月が懸かり、地上は薄暗がりの世界が広がります。三日月。ひな祭りに祭られるお白酒。その白酒を受ける杯と見立てるのは無理でしょうか。 |
佐治天文台の2階には、大きなカラーの天体写真が掛けられ、来館者の目を引きます。散光星雲、散開星団、銀河などで、星の一生を展開したものです。透明なフイルムにプリントされ、背後から照明されているため壁面に浮き上がって見えます。
写真。特に天文などの科学分野で活躍しています。極端に明るい対象を撮影したとき、写真が反転することがあり、ソラリゼーションと呼ばれています。ソル、とは太陽のこと。写真術が発明されて間もないころ、天文学者が太陽の写真撮影に挑戦していました。ところが、太陽の像が反転してしまったのです。極端に明るい太陽の像が反転したので、これ以来ソラリゼーションと呼ばれるようになったのです。天文の観測と写真術。車の両輪のような関係を続けながら発展して来たのです。 |
次回も、お楽しみに |