個人住民税(市・県民税)に関する税制改正情報(平成29年度適用 以前)登録日:
- 個人住民税(市県民税)の均等割の税額が変わります
- 給与所得控除に上限が設定されます
- 給与所得者の特定支出控除の見直し
- 年金所得者の寡婦(寡夫)控除に係る申告手続の簡素化
- 給与支払報告書及び公的年金等支払報告書の電子データによる提出の義務化
平成29年度からの適用分
日本国外に居住する親族に係る扶養控除等の書類の添付等の義務化
平成27年度の税制改正により、平成28年1月1日以後に支払われる給与等または公的年金等に係る確定申告、住民税の申告等において、国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける場合には、「親族関係書類」 及び「送金関係書類」をそれぞれの申告書に添付し、または提出の際に提示しなければならないこととなりました。
親族関係書類
親族関係書類とは、下記1または2のいずれかの書類(これらの書類が外国語で作成されている場合には、日本語での翻訳文も必要です。)で、国外居住親族が納税者の親族であることを証するものをいいます。
- 戸籍の附票の写しその他日本国、都道府県または市区町村が発行した書類及び国外居住親族の旅券の写し
- 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書など)で、国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるものに限ります。
送金関係書類
送金関係書類とは、下記1または2のいずれかの書類(これらの書類が外国語で作成されている場合、日本語での翻訳文も必要です。)で、納税者がその年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払いを、必要なつど各人に送ったことを明らかにするものをいいます。
- 金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引により、納税者から国外居住親族に支払いをしたことを明らかにする書類(送金依頼書など)
- いわゆるクレジットカード発行会社が発行した書類またその写しで、国外居住親族がそのクレジットカード会社が交付したカード等を提示して国外居住親族が商品等を購入したこと等により、その商品等の購入等の代金に相当する額の金銭をその納税者から受領し、または受領することとなることを明らかにする書類(クレジットカード利用明細書など)
(注意1)上記の書類を、給与等もしくは公的年金等の源泉徴収または給与等の年末調整の際に源泉徴収義務者に提出し、または提示した場合は、確定申告書、住民税の申告書に添付または提示を要しないこととされています。
(注意2)国外居住親族が16歳未満であっても、住民税の非課税限度額の適用を受ける人やその親族に係る障害者控除を受けようとする人は、上記書類の添付または提示が必要となります。
次のホームページも参考にしてください。
金融所得課税の一体化
平成25年度及び平成27年度の税制改正により、税負担に左右されずに金融商品を選択できるよう、異なる課税方式の均衡化を図る観点から、公社債等の課税方式を株式等の課税方式と同一化することとされました。
また、特定公社債等の利子及び譲渡損益並びに上場株式等の金融商品間の損益通算の範囲を拡大し、3年間の繰越控除ができることとなりました。
公社債の課税方式の変更
公社債については、特定公社債と一般公社債に区分した上で課税方式が変更されます。
(特定公社債とは、国債、地方債、外国国債、公募公社債、上場公社債、平成27年12月31日以前に発行された公社債などの一定の公社債をいいます。)
公社債の区分
特定公社債等 |
一般公社債等 |
---|---|
特定公社債 |
特定公社債以外の公社債 |
公募公社債投資信託の受益権 |
私募公社債投資信託の受益権 |
証券投資信託以外の公募公社債投資信託の受益権 |
証券投資信託以外の私募公社債投資信託の受益権 |
特定目的信託の社債的受益権での公募のもの |
特定信託の社債的受益権での私募のもの |
- 特定公社債等の利子は、源泉分離課税(所得税15パーセント、住民税5パーセント)から申告分離課税(所得税15パーセント、住民税5パーセント)に統一されます。
- 一般公社債等の利子等については、20パーセントの源泉分離課税が維持されます。
- 特定公社債等の譲渡益については、非課税から20パーセントの申告分離課税に課税方法が変更されるとともに、税制上、上場株式等と同様の取扱いとされます。(損益通算、繰越控除が可能)
- 平成28年1月1日移行に行う割引債の償還及び譲渡については、20パーセントの申告分離課税の対象とされました。平成27年12月31日以前に発行され償還差益が発行時に源泉徴収の対象とされたものについては、18パーセントの源泉分離課税(所得税18パーセント、住民税非課税)が維持されます。
現行と改正後の税率
現行 平成27年12月31日以前 |
改正後 平成28年1月1日移行 |
|||
---|---|---|---|---|
内容 |
所得区分 |
公社債等 |
特定公社債等 |
一般公社債等 |
利息・利子 |
利子所得 |
源泉分離課税(申告不要) 20パーセント(所得税15パーセント、住民税5パーセント) |
申告分離課税 20パーセント(所得税15パーセント、住民税5パーセント) ※源泉徴収あり特定口座は申告不要 ※申告不要とした場合、譲渡損益との損益通算はできません。 |
源泉分離課税(申告不可) 20パーセント(所得税15パーセント、住民税5パーセント) |
売却益・譲渡損益 |
譲渡所得 |
非課税 |
譲渡所得として申告分離課税 20パーセント(所得税15パーセント、住民税5パーセント) ※源泉徴収あり特定口座は申告不要 ※確定申告により3年間損失の繰越控除が可能 |
譲渡所得として申告分離課税 20パーセント(所得税15パーセント、住民税5パーセント) |
償還差益 |
雑所得 |
総合課税 (所得税5~45パーセント超過累進課税、住民税10パーセント) ※割引債は発行時18パーセントの源泉分離課税(所得税18パーセント、住民税非課税) |
(注意1)所得税においては、平成25年から平成49年までに生じる所得について、確定申告や源泉徴収の際、表中の税率とは別に2.1パーセントの復興特別所得税が課されます。
(注意2)平成28年1月1日から、特定公社債等についても特定口座で計算される所得の対象として受け入れることができることとされました。
(注意3)平成28年1月1日以降、特定公社債等の利子等については、利子割(住民税5パーセント)の課税対象から除外した上で、配当割の課税対象とされます。
(注意4)源泉徴収選択特定口座内の特定公社債等の譲渡所得として申告した場合、株式等譲渡所得割の課税対象とされます。
損益通算・繰越控除・分離課税制度の改組
従来可能であった「上場株式等」と「一般株式等(未上場株式等)」の間での損益通算ができなくなります。
平成28年1月からは、下記の1と2の区分による別々の分離課税制度に改組されます。
分離課税の改組について
区分 |
各区分内の |
各区分内の |
|
---|---|---|---|
1 |
特定公社債及び上場株式等に係る譲渡所得等の分離課税(申告分離会税を選択された上場株式等の配当所得との損益通算も可能) |
できる |
できる |
2 |
一般公社債等及び一般株式等(未上場株式等)に係る譲渡所得等の分離課税 |
できる |
できない |
次のホームページも参考にしてください。
- 個人の方が株式等や土地・建物等を譲渡した場合の平成25年度税制改正のあらまし 平成25年4月(国税庁のホームページ)
- 個人の方が株式等や土地・建物等を譲渡した場合の平成27年度税制改正のあらまし 平成27年4月(国税庁のホームページ)
- 個人の方が上場株式等を保有・譲渡した場合の金融・証券税制について 平成29年11月(国税庁のホームページ)
平成28年度からの適用分
住宅借入金特別税額控除の延長
個人住民税における住宅借入金特別控除の対象期間が平成31年6月30日まで延長されました。
この控除を適用した場合、住宅借入金特別控除可能額のうち、所得税から控除しきれなかった額を下記の限度額まで住民税から控除することができます。
居住年月日 |
平成26年1月1日~3月31日 |
平成26年4月1日~平成31年6月30日 |
---|---|---|
控除限度額 |
所得税の課税総所得金額等の5%(最高97,500円) |
所得税の課税総所得金額等の7% (最高136,500円)※ |
※平成26年4月1日から平成31年6月30日までの控除限度額は、住宅取得等の費用にかかる消費税率が8%または10%である場合の金額です。それ以外の場合は5%(最高97,500円)です。
ふるさと納税の控除限度額引き上げ
ふるさと納税の特例控除額の上限について、個人住民税所得割額の1割から2割に拡充されました(平成27年1月1日以降のふるさと納税から対象)。
概要については、下表のとおりです。
自治体に対する寄附金控除の概要
対象となる自治体の寄附金 |
都道府県または市区町村 |
---|---|
控除率 |
自治体に対する寄附金のうち、適用下限額(2千円)を超える 部分について一定の限度まで所得税とあわせて全額控除 控除額の計算方法 下記1と2の合計額を住民税額(所得割)から控除します。 1.基本控除額 (寄附金額-2千円)×10%(市民税6%+県民税4%) 2.特例控除額(自治体に寄附をした場合の上乗せ) (寄附金額-2千円)×{90%-寄附者の所得税の税率(0~45%)×1.021} 注意:2の額は個人住民税所得割額の2割を限度とします。 |
寄附金の上限額 |
総所得金額等の30% (自治体に対する寄附以外の寄附金との合計額) |
適用下限額 |
2千円 |
ふるさと納税ワンストップ特例制度
特例制度の概要
確定申告をする必要のない給与所得者等がふるさと納税を行う場合に、寄附先の自治体に特例の申請をすることで、確定申告を行わなくてもふるさと納税についての寄附金控除が受けられる特例制度です。
控除金額は、所得税の軽減税率相当額を含めて翌年度の住民税から控除されます。
ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用できる方
次の条件を全て満たしていることが必要です。
1.確定申告を行う必要のない方
・確定申告をしなければならない自営業の方や、給与所得者で医療費控除等の確定申告を行う方は対象となりません。
・「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を提出していても、確定申告や市民税・県民税申告を行った場合、ワンストップ特例の適用は受けられなくなります。(申告を行う場合は、寄附金に関する申告も忘れないようご注意ください。)
2.ふるさと納税先団体が5団体以内の方
5団体以下の自治体に寄附する予定で「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を提出していても、最終的に6団体以上の自治体に寄附を行った場合、全ての寄附について特例の適用が受けられなくなります。この場合、必ず確定申告を行ってください。
3.平成27年1月から3月の間に自治体に寄附をしていない方
平成27年4月1日以降の寄附がワンストップ特例の対象となりますので、平成27年1月から3月の間に自治体へ寄附を行った方は、4月以降に寄附を行った分を含めて確定申告をしてください。
※その他の注意事項
寄附を行った翌年1月1日の住所地の市町村が、ふるさと納税ワンストップ特例を申請した寄附先の自治体に届け出た住所地の市町村と異なる場合(転居による住所変更など)、ワンストップ特例の適用は受けられません。
申請書の内容に変更があった場合は、ふるさと納税を行った翌年の1月10日までに寄附先の自治体へ変更届出書の提出が必要です。
公的年金等に係る所得税の確定申告不要制度の改正
制度改正の概要
平成26年度税制改正において、公的年金に係る所得税の確定申告不要制度については、「源泉徴収の対象とならない公的年金等(外国で支払われる年金)の支給を受ける者は、この制度を適用できない」こととなりました。
なお、この改正は平成27年分以降の所得税について適用されます。
公的年金に係る所得税の確定申告不要制度について
平成23年分の申告からは、前年1年間(1月1日~12月31日)の公的年金の収入合計額が400万円以下で、かつ、公的年金に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合、所得税の確定申告の必要はありません。
なお、雑所得となる主な公的年金等は、次のとおりです。
- 国民年金法、厚生年金法、公務員等の共済組合法などの規定による年金
- 過去の勤務により企業などから支払われる年金
- 外国の法令に基づく保険又は共済に関する制度で、1に掲げる法律の規定による社会保険又は共済制度に類するもの
(注意1)この場合であっても、所得税が源泉徴収されている人で、医療費控除等による所得税の還付を受ける場合は確定申告を行うことができます。
(注意2)公的年金以外の所得金額が20万円以下で確定申告の必要がない場合であっても、住民税の申告が必要な場合があります。
(注意3)平成27年分以降は、3.に該当する外国の法令に基づく公的年金を受給している方は、公的年金等に係る確定申告不要制度の適用はできません。
例えば、日本で支給された年金と外国で支給された年金がある場合は、その合計金額が400万円以下であっても、所得税の対象とならない外国の年金が含まれているため、確定申告書の提出が必要となります。
平成27年度からの適用分
住宅借入金特別税額控除の延長と拡充
個人住民税における住宅借入金特別控除の対象期間が平成29年12月31日まで延長されました。加えて、平成26年4月1日から平成29年12月31日までに住宅を取得した場合の控除限度額が拡充されました。
この控除を適用した場合、住宅借入金特別控除可能額のうち、所得税から控除しきれなかった額を下記の限度額まで住民税から控除することができます。
現行 |
改正後 |
||
---|---|---|---|
居住年月日 |
~平成25年12月31日 |
平成26年1月1日~3月31日 |
平成26年4月1日~平成29年12月31日 |
控除限度額 |
所得税の課税総所得金額等の5%(最高97,500円) |
所得税の課税総所得金額等の5%(最高97,500円) |
所得税の課税総所得金額等の7%(最高136,500円)※ |
※平成26年4月1日から平成29年12月31日までの金額は、消費税率が8%または10%である場合の金額であり、それ以外の場合における控除限度額は現行と同様です。
上場株式等の配当及び譲渡所得等に対する軽減税率の廃止
上場株式等の配当及び譲渡所得等に係る軽減税率(所得税7%、住民税3%)が平成25年12月31日をもって廃止され、平成26年1月1日以降は、本則税率(所得税15%、住民税5%)が適用されます。
上場株式等の譲渡所得等に係る税率
区分 |
平成21年分~平成25年分 |
平成26年分から |
---|---|---|
金融商品取引業者等を通じた売却等 |
10%(所得税7%、住民税3%) |
20%(所得税15%、住民税5%) |
上記以外 |
20%(所得税15%、住民税5%) |
上場株式等の配当等に係る税率
平成21年分~平成25年分 |
平成26年分から |
---|---|
10%(所得税7%、住民税3%) |
20%(所得税15%、住民税5%) |
※平成25年から平成49年までの間に生じる所得については、源泉徴収税の徴収の際に復興特別所得税が併せて徴収されます。
平成26年度からの適用分
個人住民税(市県民税)の均等割の税額が変わります
東日本大震災を踏まえて、全国の都道府県・市町村では、防災のための施策に要する費用の財源を確保する目的で、平成26年度から平成35年度までの10年間、市民税と県民税の均等割額にそれぞれ500円が加算されます。
改正前と改正後の年額は、次のとおりです。
平成25年度まで |
平成26年度~平成34年度 |
平成35年度~ |
|
---|---|---|---|
市民税の均等割額(年額) |
3,000円 |
3,500円 |
3,500円 |
県民税の均等割額(年額) |
1,500円 |
2,000円 |
1,500円 |
合計 |
4,500円 |
5,500円 |
5,000円 |
※県民税均等割には、森林環境保全税500円を含みます。
給与所得控除に上限が設定されます
給与収入金額が1,500万円を超える場合の給与所得控除額について、245万円の上限が設けられました。
給与収入金額 |
給与所得金額 |
|
---|---|---|
改正前 |
改正後 |
|
1,000万円超 |
給与収入金額×95%-170万円 |
給与収入金額×95%-170万円 |
1,500万円超 |
給与収入金額-245万円 |
給与所得者の特定支出控除の見直し
給与所得者の特定支出控除について範囲の拡大等が行われ、給与所得者の実額控除の機会が拡大されました。
1.特定支出の範囲の拡大
特定支出の範囲に次に掲げる支出が追加されました。
職務の遂行に直接必要な弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費 図書の購入費、職場で着用する衣服の衣服費、職務に通常必要な交際費で、職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者による 証明がされたもの(上限65万円)
2.特定支出控除の適用判定・計算方法の見直し
平成25年度までは、給与所得控除額の全額を超えなければ特定支出控除は受けることができませんでしたが、平成26年度からは給与所得控除額の半分を超えれば特定支出控除を受けることができるように改正されました。
※ただし、年収が1,500万円を超える場合は125万円を超えた場合だけ特定支出控除が受けれます。
改正前 |
(給与収入金額) - (給与所得控除額) - (特定支出の額の合計額 - 給与所得控除額)= 給与所得金額 |
---|---|
改正後 |
給与収入金額が1,500万円以下の場合 |
給与収入金額が1,500万円超の場合 |
年金所得者の寡婦(寡夫)控除に係る申告手続の簡素化
公的年金等に係る所得以外の所得を有しなかった方が寡婦(寡夫)控除を受けようとする場合の個人住民税の申告書の提出を不要とすることとされました。
ただし、年金保険者に提出する扶養控除申告書に「寡婦(寡夫)」の記載を忘れたり、扶養控除申告書を提出しなかったかたは、控除が適用されません。その場合は、確定申告または個人住民税の申告が必要となりますので、ご注意ください。
給与支払報告書及び公的年金等支払報告書の電子データによる提出の義務化
所得税に係る給与所得の源泉徴収票又は公的年金等の源泉徴収票に記載すべき事項を電子データ(e-Tax又は光ディスク等)で提出しなければならない者(※)は、給与支払報告書又は公的年金等支払報告書に記載すべき事項を電子データ(eLTAX又は光ディスク等)により市町村長に提出しなければならないこととされました。
(平成26年1月1日以後に提出すべき給与支払報告書又は公的年金等支払報告書について適用されます。)
(※)所得税に係る給与所得の源泉徴収票又は公的年金等の源泉徴収票に記載すべき事項を電子データで提出しなければならない者 …… 前々年の1月1日~12月31日の間に提出すべきであった源泉徴収票の枚数(訂正分を含む。)が1,000枚以上の者
平成25年度からの適用分
生命保険料控除の見直し
平成22年度の税制改正により、生命保険料控除が改正され、平成25年度の個人住民税から適用されます。これは、平成24年1月1日以降に契約した生命保険から適用されます。
1.介護医療保険料控除の新設
現行の「一般生命保険料控除」「個人年金保険料控除」に加え、介護・医療保障に係る保険料について「介護医療保険料控除」が新設されました。
2.各保険料の控除の適用限度額の変更
一般生命保険料及び個人年金保険料の控除適用限度額が3万5千円から2万8千円に変更され、新設された介護医療保険料の控除適用限度額も2万8千円となります。
ただし、各保険料控除を合計した全体の控除適用限度額は、7万円のまま変わりません。
3.生命保険料控除額の計算方法
(1)新契約の控除額(平成24年1月1日以降に契約した保険)
平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に基づく一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の控除額は、それぞれ次の表の計算式に当てはめて計算した金額です。
支払保険料の金額 |
控除額 |
---|---|
12,000円以下 |
支払保険料の金額 |
12,000円超 32,000円以下 |
支払保険料の金額×1/2+6,000円 |
32,000円超 56,000円以下 |
支払保険料の金額×1/4+14,000円 |
56,000円超 |
28,000円 |
(2)旧契約の控除額(平成23年12月31日以前に契約した保険)
平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に基づく一般生命保険料と個人年金保険料の控除額は、それぞれ次の表の計算式に当てはめて計算した金額です。
支払保険料の金額 |
控除額 |
---|---|
15,000円以下 |
支払保険料の金額 |
15,000円超 40,000円以下 |
支払保険料の金額×1/2+7,500円 |
40,000円超 70,000円以下 |
支払保険料の金額×1/4+17,500円 |
70,000円超 |
35,000円 |
(3)新契約と旧契約両方がある場合の控除額
新契約と旧契約両方がある場合は、一般生命保険料、個人年金保険料それぞれについて、次のいずれかの方法を選択できます。
適用する生命保険料控除 |
控除額 |
---|---|
新契約のみ生命保険料控除を適用 | (1)に基づき算定した控除額 |
旧契約のみ生命保険料控除を適用 | (2)に基づき算定した控除額 |
新契約と旧契約の双方について生命保険料控除を適用 |
(1)に基づき算定した新契約の控除額と(2)に基づき算定した旧契約の 控除額の合計額(最高2.8万円) |
(4)生命保険料控除額
(1)~(3)により一般生命保険料控除、個人年金保険料控除を、(1)により介護医療保険料控除額を計算し、その合計額が生命保険料控除額となります。なお、この合計額が7万円を超える場合には、生命保険料控除額は7万円となります。
退職所得に係る住民税の見直し
平成25年1月1日以降に退職する人に支払われる退職手当に係る個人住民税が変更になります。
1.退職手当等に対する所得割額について、10%の税額控除が廃止されます。〔個人市・県民税〕
2.勤続年数が5年以下の法人役員等(※1)が支払を受ける退職手当等について、累進緩和措置退職所得の1/2課税)が廃止されます。〔所得税および個人市・県民税〕
※1 法人役員等とは、法人税法上の役員、国会議員・地方議会議員、国家公務員・地方公務員が対象となります。
〇計算式は以下のとおりです。
(収入金額-退職所得控除額※2 )×1/2= 退職所得金額(1000円未満の端数切捨て)
※2 退職所得控除額
ア 勤続年数が20年以下の場合
40万円×勤続年数 (80万円に満たないときは80万円)
イ 勤続年数が20年を超える場合
800万円+70万円×(勤続年数-20年)
退職手当等の支払を受ける者が在職中に障害者に該当することとなったことにより退職した場合には、上記 ア または イ の金額に100万円を加算した金額となります。
市民税= 退職所得金額×6% 100円未満の端数切捨て
県民税= 退職所得金額×4% 100円未満の端数切捨て
次のホームページも参考にしてください。
平成24年度からの適用分
扶養控除の見直し
次の記載の年齢は平成24年1月1日現在の年齢です。
・年少扶養親族に対する扶養控除の見直し
年少扶養親族(16歳未満の扶養親族)に係る扶養控除(33万円)が廃止されます。
ただし、個人住民税(市・県民税)の算定(非課税限度額の算定等)に必要ですので、必ず扶養親族の申告をお願いします。
・特定扶養親族(16歳以上19歳未満)の控除額の変更
高校の授業料無償化に伴い、特定扶養親族(16歳以上23歳未満)のうち年齢16歳以上19歳未満の方に係る扶養控除の上乗せ部分(一般扶養控除の控除額を上回る12万円の部分)が廃止され、扶養控除の額が45万円から33万円になります。年齢19歳以上23歳未満の方の扶養控除額は以前と変わらず45万円のままです。
・16歳未満の扶養親族の申告について
給与所得者及び公的年金等受給者に係る扶養親族申告書の提出
給与所得者については、年末調整時に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の「住民税に関する事項」欄に年齢16歳未満の扶養親族を記載してください。
公的年金等の受給者の「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」についても同様です。
次のホームページも参考にしてください。
確定申告書の記載方法
確定申告書二表の左下部分「住民税に関する事項」の「16歳未満の扶養親族」欄にご記入ください。
確定申告書A様式
確定申告書B様式
公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下で、かつ、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、所得税の確定申告をする必要がなくなりました。(平成23年分以後の所得税について適用)
この場合であっても、所得税の還付を受けるための確定申告書を提出することができます。
確定申告が必要でない場合でも、次に当てはまるときは個人住民税の申告が必要です。
- 公的年金等に係る雑所得のみがある方で、「公的年金等支払報告書」に記載されている控除(配偶者控除、扶養控除、基礎控除や社会保険料控除等)以外の各種控除の適用を受けるとき
- 公的年金等に係る雑所得以外の所得があるとき
東日本大震災発生に伴う住民税の特例措置
・雑損控除の特例
震災により住宅や家財などに損害を受けた方は、市民税・県民税の所得から控除することができます。
- 住居や災害関連支出については、その災害がやんだ日から1年以内に支出したものが雑損控除の対象となりますが、東日本大震災により住宅や家財に損害が生じた場合には、3年以内に支出されるものが対象となります。
- その年の所得金額から控除しきれない控除額は、翌年以後5年間に繰り越して、各年の所得金額から控除できます。
・住宅ローン控除の特例
- 震災により住宅借入金等特別控除の適用を受けていた住宅について居住できなくなった場合についても、その住宅に係る住宅借入金等特別控除の残りの適用期間について、引き続き、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができます。
- 震災で住宅が滅失等した方が住宅の再取得等をした場合、所得税における控除の特例の適用を受けられます。このとき所得税から控除しきれなかった額がある場合には、その残額分を、翌年度分の市・県民税から減額します。(上限97,500円)
次のホームページも参考にしてください。
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FAX番号:0857-20-3921