11月3日、市の文化・芸術の振興に功績のあった人をたたえる「鳥取市文化賞」の贈呈式が仁風閣で行われました。
このたび受賞されたみなさんを紹介します。
昭和63年測量設計会社勤務の傍ら、俳句を作り始め、現在に至っている。平成4年に「白魚火」の前主宰仁尾正文氏に師事し、俳句結社「白魚火」(出雲市)に入会。平成13年「白魚火賞」受賞。平成27年には同誌主宰を継承し、現在に至る。句集に「和顔」(平成29年)がある。この間、鳥取県俳句大会選者、読売新聞「とっとり文芸」選者、鳥取市社会教育事業団「鳥取文芸」選者などを務め、広く俳句振興に務めてきた。現在、公益社団法人俳人協会評議員及び鳥取県支部長、鳥取県俳句協会理事及び大会選者。
句集「和顔」には、平成17年から平成26年までの作品340句が収録されている。山陰の風土を色濃く反映しながら、穏やかで深い句境を切り開いている。作者としてのたゆみない歩みは、山陰地方の俳句愛好者にとって、ひとつの大きな支えとなっている。
昭和26年鳥取市佐治町生まれ。昭和46年から2年間、東京デザイナー学院テキスタイル科に学び、染織の小島悳次郎氏に師事。糸と針に自分を入れ込む喜びを感じ、布を重ねて縫い締める独自の「西尾絞り」を創作した。
昭和50年から国展(国画会)に出品し、昭和57年に新人賞を受賞した。
染めの際のにじみや白い部分も大切にし、あくまでもオリジナルなものを目指し、染めた布が人々の暮らしにとけ込み、楽しんでもらえるよう努力している。
鳥取市内において後進の指導にも熱心に活動しており、長年の地道な活動と、空間を彩るおおらかな染めは、高く評価されている。
昭和37年生まれ。昭和59 年大阪芸術大学美術学科卒業。デザイン事務所に勤めながら、主に「行動展」で作品を発表。平成9年、全関西行動展での寄託賞を皮切りに同美術賞、無鑑査賞を受賞。平成10 年に行動展で奨励賞を受賞し、平成12年に会友推挙となる。
平成16年、第59回に出品した『森に入った蝶屋の知人』が最高賞の行動美術賞を獲得する。会員に推挙され、文化庁選抜展にも推薦されるなど、今後の活躍が大いに期待される。
平成に入ってからの作品は、山陰の古代神話を描く『国引き』『大黒』や、郷土の祭りをテーマにした『しゃんの音』など。近年は、身辺の感心ある事柄を心象風景として描く「自分史」など、倉吉北高校で教育現場に立つ経験も生かして新たな感性に磨きをかける。