令和元年度 第5回 国府地域振興会議(視察研修)議事概要 登録日:
令和元年度 第5回 国府地域振興会議(視察研修)議事概要
日時:令和元年10月31日(木)10時45分〜15時20分
場所:兵庫県朝来市(朝来市文化財課、竹田城跡)
【出席委員】森原喜久、山崎豪太郎、山田準二、田中道春、正木直志、森田わか子
木下敏明、澤田寛子、岸本武司、山脇隆、横山璋也
【欠席委員】山根玲子
【事務局】竹氏支所長、岸田副支所長兼地域振興課長兼教委分室長
前田産業建設課長、上田市民福祉課長、吉田地域振興課課長補佐
◎会議次第
1 開会
2 あいさつ
3 議題
朝来市の歴史文化遺産を活用したまちづくりについて
4 その他
5 閉会
1 視察研修の概要について
(1)朝来市の歴史文化遺産を活用したまちづくり
<朝来市文化財課の職員が説明>
○文化財がもつ本来の価値とは
これまでは、権威がある者によって学術的に認められたものに価値があるとされており、地域住民との距離感が遠かった。
これからは、地域の人々が価値を見出し、守り、活用していこうと思えるものを文化財として捉えることで、地域住民が当事者となることができる。
○朝来市の歴史文化遺産の活用
【朝来市を代表する歴史文化遺産】
・茶すり山古墳
西日本最大級の円墳であり、古代但馬を治めた王の墓と推定される。
・竹田城跡
1590年代に建てられた総石垣の山城遺構。「天空の城」とも呼ばれ、平成23年頃から観光客が増大し、26年にピークとなる。
観光客の増加は地域活性化につながるが、周辺地域の生活環境の悪化や、史跡の崩壊という負の面ももたらしている。
・生野銀山
807年に発見されて以降、1973年の閉山まで、その時々の権力者の財政を支えてきた大鉱山である。
平成25年には、国の重要文化的景観に選定されたが、これには、「地域独特の生業によって生み出された生活環境、景観が、生 業・営みを継続することによって今もなお生き続けているもの」という定義があり、閉山された生野銀山は、本来は選外となるべきものであった。しかし地域住民の取組みにより、鉱山が稼働していた当時の生活習慣が現在もその地に息づいていることが認められ、選定に至った。
・日本遺産
平成29年に朝来市を含む六つの自治体が、「播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道」として日本遺産に認定された。
日本遺産の選定においては「日本の歴史文化、魅力を点ではなく面として集め、誰にでもわかる物語」とされていることに主眼が置か れ、観光振興・地域活性化的な性格が強くなっている。
(2)竹田城跡視察
朝来市職員の案内で竹田城跡を視察した。竹田城最後の城主である赤松広英と鳥取市との関係など、興味深い話を聞くことができた。
城跡は石垣が延々と続いているが、急な段差などは木組みによって解消され、観光客への配慮が感じられた。
朝来市職員から観光客増の弊害を聞いていたが、通路一面に貼られた防水シート(踏み荒らされた石垣上部からの雨水の浸食を防ぐ)や崩壊した石組みなどを確認した。
2 所感
文化財にもいくつかの種類があり、それを巡る状況にも変化が訪れていることが分かった。
文化財と言えば、これまでは権威のある者が指定し、ただそれをありがたがるだけで住民との距離感があるものであったが、最近は地 域住民がその価値を見出し、それを守り、後世に伝えていく物が文化財である、という方向に定義が推移していることを感じた。
国府地域では、「万葉集」、「大伴家持」というキーワードに繰り返しスポットライトをあて、それら先人の物語を語り継いでいるが、この取組みを今後も継続していくことが大切であると改めて感じることができた。
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