特集 2026新春座談会 「伝統を未来に紡ぐ」

2026年初春

 新年あけましておめでとうございます。
 今回は、本市の伝統芸能や伝統産業に関わる4人をゲストに迎え、それぞれの活動や伝統文化を守り生かす地域づくりについて、深澤市長と語っていただきました。

問合せ先 本庁舎広報室(33番窓口)
電話
0857-30-8008 
FAX
0857-20-3040
2026新春座談会 集合写真

会場:麒麟Square

武田 尚也さん

武田尚也(たけた なおや)さん


湯所神社麒麟獅子舞保存会に所属 。
6年前にメンバーに誘われて保存会に入る。はじめは笛や鐘、太鼓などのおはやしを担当していたが、2025年から獅子頭を任される。

熊田 舞(くまだ まい)さん


20歳ごろに地元の貝がら節保存会に入り、本格的に「正調貝がら節」を踊るようになる。地元や県外で貝がら節踊りを披露するなど貝がら節のPRと継承活動を行っている。

熊田 舞さん
坂本 宗之さん

坂本 宗之(さかもと むねゆき)さん 


因州・中井窯4代目。
地元の高校卒業後、京都の陶芸学校でろくろと釉薬(ゆうやく)について学ぶ。京都の窯元で修行した後に地元に戻り、現在は父の章さんと一緒に日々器づくりに励んでいる。

福田 美由希(ふくた みゆき)さん


国府町因幡の傘踊り保存会美歎支部に所属。
社会人になって講座を受講したことをきっかけにかつて教わった傘踊りを再開する。現在は因幡万葉歴史館の職員で「因幡の傘踊りの祭典」を担当。

福田 美由希さん

活動や思いについて

武田鳥取市に引っ越してきたことがきっかけで保存会に所属しました。出身地の智頭町芦津にも麒麟獅子舞があり、子どものころからなじみのある芸能だったので、ぼんやりと大人になったら獅子舞をするんだろうなと思っていました。
 湯所神社麒麟獅子舞保存会は、主に4月末に神社で開催される春祭りで麒麟獅子舞を舞っています。女性や高校生、町外の人も所属していて、格式ばらず柔軟に、和気あいあいと楽しく活動しています。獅子頭は今から約240年前に作られたという記録が残っていて、制作年が分かるものの中では一番古いそうです。
獅子舞
 イベントや行事にフットワーク軽く参加していて、麒麟獅子舞フェスタや鳥取城跡ときめきマルシェ、昨年は大阪・関西万博にも参加しました。国内外の多くの人に獅子に触れ合っていただくことができました。

市長本市でも、麒麟獅子舞フェスタや段ボール獅子頭の制作体験など、伝統芸能を若い世代のみなさんにも知っていただく取り組みを行っています。麒麟のまち圏域の大切な伝統として守り、継承していくだけでなく、観光面でも核となる存在となっていますよね。

福田最初に傘に触れたのは小学生のときでした。運動会で披露し、中学校では傘踊りクラブで活動していました。社会人になってからはしばらく離れていましたが、鳥取市因幡万葉歴史館が主催する傘踊り講座を受講して、因幡の傘踊りの祭典に出演し、その後、講師をされていた因幡の傘踊り保存会美歎支部にそのまま加入しました。因幡の傘踊りは男性が踊るイメージが強く、美歎支部では女性の加入は私が初めてです。毎年祭典に参加していますし、県外のイベントや海外でも披露する機会がありました。私も一度、台湾で披露したことがあります。
福田さん
 また、昨年から初めての試みとして、公立鳥取環境大学の学生有志に教えています。興味を持っていただいたことがすごく嬉しいですし、励みになります。昨年の因幡の傘踊りの祭典では、学生のみなさんが素晴らしい踊りを披露してくれました。これからも継続して教えて、学生に根付いたらいいなと思います。

市長因幡の傘踊りはいつ見ても力強く、華麗で、かつ哀感が感じられる素晴らしい舞で、以前からとても好きな伝統芸能です。国内外で踊りを披露したり、小中学生や大学生に教えたりするなど、魅力を感じていただくことによって、継承していこうという活動が素晴らしいと思います。

熊田私が貝がら節を踊り始めたのは3歳頃だったと母親から聞いています。小中学生の頃は毎年貝がら節祭りで踊っていました。大人になってからは、貝がら節保存会に所属し、正調貝がら節踊りを練習して県内外でPRしています。今は浜村小学校で貝がら節踊りを指導していて、今年で8年目です。1年生から3年生までは新貝がら節踊りを、4年生から6年生までは正調貝がら節踊りを練習し、毎年運動会で披露しています。他には、しょうがぽかぽかフェスタで小学生がパレードをしながら踊るという取り組みも行っています。指導している子どもたちが本番で踊っている姿を見ると涙が出るほど嬉しいです。
熊田さん
 私自身は、8月に行われる貝がら節祭りで、踊りが始まるスタートのかけ声をかけたり、誰でも自由に参加できる勝手連という連で率先して踊って観光客と一緒に踊りを楽しんだりしています。

市長子どもたちがさまざまな場面で踊りを披露していて、次世代につながるとても素晴らしい取り組みだと思いました。私も貝がら節祭りに毎年出席し、各連のみなさんの素晴らしい踊りをいつも拝見しています。本市が誇れる民謡ですので、多くのみなさんに継承していただきたいです。

坂本因州・中井窯は昭和20年に曾祖父が今の中井窯の場所に登り窯を築いたことが始まりです。黒、白、青の3色の掛け分け皿は、中井窯を代表する作品の一つです。
 自分の身の回りにはいつも中井窯の器があって、小さな頃から祖父や父の姿を見てきてかっこいいと思っていましたし、誇りに思っていたので、自然とこの道に進むことを決めました。高校卒業後、4年間ろくろと釉薬(ゆうやく)を学ぶ学校に通い、その後1年間窯元で修行しました。今は中井窯を継いで8年目です。
座談会の様子
 作品は地元の道の駅や工芸店、高砂屋、自宅のギャラリー、そして、毎年秋に地元で行われる西郷工芸祭りでも販売しています。工芸祭りは昨年で10回目という節目を迎え、多くの人たちにお越しいただき大盛況でした。直接お客さんと会話して、手に取って見ていただけることはこれからの作品作りの励みになります。

市長私も中井窯の作品を長年愛用しています。西郷工芸祭りでは素晴らしい作品が展示即売されていて、何よりも素晴らしいのは作家のみなさんと直接話ができることです。昨年は坂本さんとも会場でお会いし、私も楽しい時間を過ごさせていただきました。

伝統を未来に紡ぐために

福田宮ノ下小学校と国府東小学校で、クラブ活動として、子どもたちが傘踊りに取り組んでいます。コロナ前は私も小学校での指導に参加していました。昨年からは県外出身の大学生に教える機会ができたので、地元の人以外にも魅力を伝えていけるように活動していきたいです。

武田令和元年、久松小学校に麒麟獅子クラブができて、保存会のベテランの人が指導に伺っています。麒麟獅子舞フェスタには保存会がトップバッターでその次に麒麟獅子クラブが出演し、一緒に参加しました。他にも、公民館まつりや鳥取三十二万石お城まつりなどのイベントに積極的に参加しています。
 将来的には、卒業生が保存会に入って一緒に活動できたらいいなと思います。

熊田今は、子どもたちが貝がら節踊りを披露する一番大きなイベントが運動会なので、今後はたくさんいろいろなところで披露できるよう働きかけたいです。

市長みなさんが取り組んでおられることは、次の世代である子どもたちに伝統芸能や伝統文化に魅力を感じてもらい、体験をして、大人になってさらに次の世代に引き継ぐことにつながる、素晴らしいことだと思います。

坂本西郷小学校では、給食で使われるプラスチック食器の代わりに、地元の作家が作った器でご飯を食べてもらおうと、毎年1年生が地元の窯元の協力を得て、器に絵付けをしたり、釉掛(ゆうが)けをしたりする茶碗作りを行っています。
坂本さん
この取り組みを通して、子どもたちに物を大事に扱ってもらうことの大切さや、物作り、地元の工芸に関心を持ってもらえたら嬉しいです。
 以前、中井窯に来てくださったお客さんが卒業してからも毎日家で器を使っていますと教えてくださり、とても嬉しい気持ちになりました。

市長地元の作家さんたちが制作されたお茶碗で給食をいただく。これ以上のぜいたくはないですし、子どもたちにとって貴重な体験になると思います。

今年の目標・抱負

武田昨年から獅子頭に入って、舞を舞っています。これまでは私より年上の人がずっとされていましたが、任せっきりというわけにいかないことを痛感しました。少しずつ先輩方に教えていただきながら、獅子頭として保存会の力になりたいです。

熊田今年はよりたくさんの人に貝がら節を知っていただくことと、このままずっと継承につながる活動を続けて、貝がら節が好きになる子どもたちを増やしていきたいです。

坂本自分も小さな頃から家の仕事を見て今に至っているので、みなさんも小さい頃からの経験や体験が今につながっていると知り、とても親しみを感じました。
 今後の目標としましては中井窯の伝統は守りつつ、中井窯の特色を生かした新しいことにも挑戦していけたらと思ってます。

福田今日は、なかなか聞く機会のないみなさんの話を聞くことができて、楽しい時間を過ごさせてもらいました。
 昨年は大阪・関西万博という大きな舞台で傘踊りを披露する機会がありましたので、今年も、大きな舞台に呼んでいただけるように練習に励み、こんな踊りを自分もしてみたいと子どもたちが思えるような活動をしていきたいです。

市長地域で大切に守られてきた伝統芸能や伝統産業を次の世代に引き継いでいくことが、自分たちの町や地域に誇りを持つということにつながっていくと思います。みなさんの活動が、伝統芸能・伝統産業を将来に向けてさらに力強く前進させていく契機になると思います。
 

※座談会の内容は要約しています

司会 田中奏子さん
司会
田中 奏子(たなか かなこ)さん

座談会の模様は、いなばぴょんぴょんネット(12ch)で放送します。

日時

1月1日(木・祝)、2日(金)、3日(土)
6:00〜、9:00〜、12:00、15:00〜、18:00〜、21:00〜