★地球の大きさをはかろう
〜スター・ウィーク2003 統一イベント〜
「地球の大きさって、どうやってはかったんだろう?」 「最初にはかった人は誰?」
スター・ウィーク統一イベント「地球の大きさをはかろう」を通して、星に親しみながら昔の人たちのアイデアや業績に思いをはせていただければ幸いです。
☆1.地球の大きさって、どのくらい?☆
みなさんがこう質問されたらどう答えますか? 本やインターネットなどで調べてみると「半径およそ6,400km。 周囲はおよそ40,000km」といった数字が紹介されています。「大きさは?」と聞かれて「直径・・・」と答えるのは、もちろん地球が丸いからですよね。でもちょっと待って。ふだん生活していると、「地面が丸い」なんてなかなか実感できないのでは?
「丸い」ことが実感できないほど大きな地球。いったいいつ頃、誰が、どうやって最初に地球の大きさをはかったんでしょうか?
☆2.地球の大きさを求めて☆
記録の残っている限り、エラトステネスという人が最初に地球の大きさをはかったようです。そのきっかけは・・・
エラトステネスは、エジプトのアレキサンドリアというところで研究していました。彼は、アレキサンドリアよりも南にあるシエネ(現在のアスワン)で、夏至の日のお昼になると太陽が井戸の底まで照らす、つまりちょうど頭の真上に来ることを知りました。ところが、彼がいるアレキサンドリアでは夏至の日のお昼になっても、
太陽は頭の真上よりも少し南側に見えるのです。これは、太陽の見える高さ(南中高度)が観察する場所によって違うことです。(図1)
「地面が平らなら、南中高度は変わらないはず。南中高度が違うのは、地球が丸いからだ!」こう考えたエラトステネスは、実際にはかってみることにしたのです。
☆・エラトステネス(紀元前276年〜196年)のはかり方(図2)
☆
まず、アレキサンドリアにおける、夏至の日の正午の太陽の位置(頭の真上からずれている角度)をはかりました。
もちろんシエネでの太陽の位置は、頭の真上ですから0度ということになります。そしてアレキサンドリアからシエネまでの距離をはかり、地球の周囲の大きさを計算しました。この2ヶ所は、ほぼ同一子午線上つまり、東西の経度はほぼ同じで南北だけにずれていましたので、ちょうど都合がよかったのです。彼がはかった結果、地球の一周はおよそ44,000キロメートルとなりました。現在はおよそ40,000キロメートルとなっていますから、今から2000年以上も昔の測定で、およそ10%の誤差で地球の大きさが求められたことになります。ちなみにエラトステネスが地球の大きさをはかった頃は、日本では「弥生時代初め」中国では「秦の時代」にあたります。
☆おまけ:「1メートルは地球1周の4000万分の1」と決められていたこともあります。
☆3.地球の大きさをはかろう☆
では、私たちもエラトステネスにならって、地球の大きさをはかってみましょう。彼はエジプトの北部(地中海側)で、地球の大きさをはかりました。アレキサンドリアはおよそ北緯31度、シエネはおよそ北緯23度です。私たちの身近なところでは、それぞれ種子島と台湾ぐらいの緯度になります。ですか ら、日本中ではかればエラトステネスがおこなったよりも広い範囲ではかることができます。ただし、太陽ではちょっと不都合がありますので違う物を使います。
・・・つづく