誰もがなる可能性のある認知症。鳥取市では認知症になっても誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、認知症の当事者や家族の視点を重視したさまざまな取り組みを展開しています。
認知症の人が暮らしやすいまちづくりを進めるためには、一人でも多くの市民が認知症についての正しい知識を持ち、理解を深めることが大切です。そのため、本市では認知症フォーラムなどの講演会や学習会で、認知症について学ぶ機会の提供に努めています。また、「認知症サポーター」の養成を行い、認知症の人やその家族を温かく見守り、支援する体制の構築を進めています。さらに、認知症の人が安心して外出できるよう、地域で日頃の見守りや声掛けをする「認知症高齢者等ご近所見守り応援団協力店登録事業」や、認知症により行方不明になることが心配される人を市に事前に登録しておくことで、警察署や関係機関と情報を共有し、迅速な捜索活動につなげる「認知症高齢者等安心見守り登録事業」の普及などに取り組んでいます。
本市では、認知症の人やその家族からの相談や地域の支援体制の構築などを行う「認知症地域支援推進員」を配置するとともに、認知症の人や地域住民などが気軽に立ち寄って認知症についての理解や交流を深める「認知症カフェ」の設置を推進しています。また、認知症の人の介護者を対象とした交流会を毎月開催しているほか、家族に代わって認知症の人の見守りや話し相手となる「やすらぎ支援員」を派遣するなど、介護者の身体的・精神的な負担の軽減にも取り組んでいます。
本市では、医療・介護の専門職員がチームとなり、認知症の人やその家族に対し、認知症の初期段階で包括的・集中的に関わることで適切な支援に結びつける「認知症初期集中支援チーム」の活動を充実させています。また、認知症の状態に応じて受けられるサービスや相談機関などを分かりやすくまとめた「認知症ケアパス(認知症相談・安心ガイドブック)」の普及に取り組んでいます。
若くして認知症と診断された場合、当事者は仕事や子育てなどに課題や不安を抱えてしまいます。そのようなとき、認知症について早期に相談できたり仲間と出会えたりすることは、その人らしい暮らしを続けていくうえで何よりも大切なこととなります。本市では、認知症の当事者同士が語り合う本人ミーティングの開催支援や、認知症の当事者によるピアカウンセリング「おれんじドアとっとり」(下記)を開設するなどして、若年性認知症を含む認知症の当事者支援に総合的に取り組んでいます。
もし、誰にも話せず症状にお悩みの場合は、一人で悩まず、まずは気軽にご相談ください。
当事者同士の出会いを大切にし、本人にとって良い情報を伝え合い、認知症とともに新たな暮らしをスタートできる入り口となる場所として「おれんじドアとっとり」を今年4月から開設しています。認知症になっても、諦めることなく自分らしい暮らしを実現していけるように、早い段階で仲間と出会い、共に歩んでいきましょう。
私自身も初めは落ち込み、悲しんだ時期もあります。けれども諦めず、自分に認知症があることや自分の思いを周囲に話し続け、味方になってくれる人たちに出会うことができています。そして、暮らしの中でできにくくなった事には知恵や工夫を重ねて生活しています。
誰もが認知症になると、または認知症かも?と感じると、不安になり希望を持って楽しく暮らすことができないと考えてしまいます。
そんな時は「おれんじドアとっとり」を訪ねてきてください。
一足先に認知症とともに暮らしを創っている人がいます。何気ない日常のことを語り合いながら、認知症とともに暮らす希望を見つけていきましょう!