最近、報道される機会が多くなった「性暴力」。平成29年1月に開設された「性暴力被害者支援センターとっとり『クローバーとっとり』」の事務局と支援員から、性暴力被害の現状についてお話を伺いました。
被害に遭われた人の性別を問わず「自分の意に反して行われる性的な行為」のことを指します。例えば、レイプやわいせつ行為、覗き見、盗撮、接触行為はもちろん、セクハラやパワハラ、いじめなどもあなたが性的に嫌だと思ったのであれば「性暴力」です。
平成26年に20歳以上の男女を対象に行った「鳥取県男女共同参画意識調査」(以下、調査) によると、回答者の6%が被害に遭ったと回答しています。これは、平成30年に内閣府が行った「男女間における暴力に関する調査」の4.9%と同程度の数値であり、どこでも被害に遭う可能性があることを示しています。
また、見知らぬ人からの被害が9.7%であったのに対し、親しい間柄や面識のある人など知人からの被害が、90.3%と全体の9割にも上っています。
調査によると、「どこ(誰)にも相談しなかった」が46.9%と約半数を占めています。理由は「被害を思い出したくない」、「恥ずかしい」などさまざまでした。特に、知人から受けた被害の場合は相談もしにくく、被害自体が表面化しないケースが数多くあると考えられています。また、幼児や未成年など若年層であればある程さらに声をあげにくく、また相談しにくいという現状も考えられます。
※相談ダイヤルは祝日も対応(ただし年末年始は除く)
※秘密厳守・匿名相談可・相談無料
クローバーとっとりでは、被害に遭われた人の心身の回復に寄り添うことを大切にして活動しています。
10月1日からは相談ダイヤルの受付時間を延長します。また面談(要予約)は、相談者の希望に合わせて土日も対応するなど、被害に遭われた方が相談しやすいよう窓口を広げていっています。
被害を受けたのはあなたのせいではありません。「自分がついて行ったから」「黙っていたから」「お酒を飲んでいたから」と自分を責めていませんか。あなたは悪くありません。どんな状況であれ、責められるべきは、加害者です。
あなたの大切な人が被害に遭ってしまった時、否定せず相手の言葉に耳を傾けてください。被害者の気持ちに寄り添いながら孤立しないように支えることで、被害者が一歩を踏み出す助けになります。
性暴力は被害者の尊厳と人権を踏みにじる決して許されない犯罪です。この認識をみんなが共有することが、「性暴力」の被害者も加害者も生み出さない社会づくりにつながっていくのです。