特集 2025新春座談会 「人を大切にするまち鳥取市」

 新年あけましておめでとうございます。
 今回は、子育て支援や地域食堂の運営、多文化共生、地域での共助事業など、多方面で活躍する4人をゲストに迎え、それぞれの活動や本市の明るい未来づくりについて深澤市長と語っていただきました。

問合せ先 本庁舎広報室(33番窓口)
電話
0857-30-8008 
FAX
0857-20-3040
2025新春座談会 集合写真

会場:LA MAISON DE BLANCHE(ラ メゾン ド ブランシェ) プルミエ

るりゆ〜る代表 浅見真子(あさみ まこ)さん

淺見 真子(あさみ まこ)さん

るりゆ〜る代表
 
子育て、療育、防災、音楽でつながり、支え合い育ち合う、地域支援団体「るりゆーる」で、地域の子育て支援などに取り組んでいる。

佃 亜紀(つくだ あき)さん

河原共助会代表・麒麟のまち地域食堂ネットワーク共同代表
 
河原町内での地域食堂運営、子どもが主体となり運営するカフェなどを手がける。また、フードドライブ事業にも携わっている。

河原共助会代表・麒麟のまち地域食堂ネットワーク共同代表 佃 亜紀(つくだ あき)さん
多言語国際交流サポートTIA(ティア)会長 稲田 優子(いなだ ゆうこ)さん

稲田 優子(いなた ゆうこ)さん

多言語国際交流サポートTIA(ティア)会長
 
本市に暮らす外国出身の人の生活がより向上するよう支援することを目的としたNPO団体TIAに所属。国際交流イベントや通訳サポートなどを行う。

小谷 繁喜(こだに しげき)さん

NPO法人さじ未来理事長
 
人口減少と高齢化が進む佐治町において、住民が助け合って暮らせる地域にしたいと、令和元年にさじ未来を設立。地域助け合い事業や共助交通などを行う。

NPO法人さじ未来理事長 小谷 繁喜(こだに しげき)さん

活動や思いについて

浅見私たちは、赤ちゃんからお年寄りまで、障がいの有無にかかわらず、安心して暮らせる地域がつくれるようにという思いで活動を開始しました。今は子育て支援が中心で、ベビーエクササイズとベビーマッサージで構成されるベビービクス、お母さんの産後の体力回復やリフレッシュのためのママビクス、音楽の力で子どもの健やかな発達を促し、地域の人とつながることを目的としたミュージック・ケアという活動を、公民館や子育て支援センターなどで提供しています。また昨年の夏から、活動の拠点である吉成baseで縁がわくらぶという活動を始めました。毎週木曜日の夕方に縁側を開放して、気軽に立ち寄れるようにお茶を準備しています。ちょっとお話をして、お茶を飲んで、ほっとできる時間にしていただけたらなと思っています。
ミュージック・ケアの様子

市長本市ではみなさんが安心して暮らしていける、地域共生社会の実現を目指しています。誰もが尊重し合い支え合って、心豊かに暮らせる社会、まちでありたいという本市の取り組みと共通しており、同じところを目指していらっしゃるんだなと思いました。

月に1回、河原町にあるコミュニティセンターでふれあい食堂という地域食堂を行っています。河原共助会というボランティア団体が運営を行い、50人から70人程度が大家族のような感じで、にぎやかに会話を楽しみながら食事をしています。調理は地元の人が中心となって行い、子どもたちに昔の遊びを教えてくれる人もいらっしゃいます。また、高齢者やひとり親家庭など困っている人にお弁当を届けるサービスも行っています。そして、企業などから寄付をしていただいた食材を、麒麟のまち地域食堂ネットワークを通して、地域食堂や支援が必要な人、団体にお配りするフードドライブの取り組みも行っています。
カフェの様子

市長地域食堂は、本市としても非常に力を入れている取り組みの一つです。これからの時代に欠かすことのできない、重要な社会資源であると考えています。困りごとを抱えている子どもの居場所として、サポートや支援につながることも期待しています。

地域食堂は安心できる居場所であり、なくてはならない場所だと思います。ひとり親家庭など、さまざまな困難を抱える人も利用されるので、居場所を作ること、見守ること、そして支援につなげることも、地域食堂の役割だと感じています。

市長ぜひみなさんに参画していただき、地域のつながりが発展していくことを期待したいです。

稲田TIAでは在住外国人の生活面のサポートや、行政機関からの通訳要請の対応、国際交流イベントへの参加、外国人のみなさんを招いたイベントなどを行っています。昨年に開催された第9回とっとり多文化交流フェスタでは、さまざまな国の文化や食べ物、遊びなどのブースでたくさんの人が交流を楽しんでいました。また、団体に所属せずに暮らす外国人のみなさんともつながりを持つため、オアシスという名前で茶話会を開いています。日本の文化を紹介しながら、生活で困っていることを聞いたり、さまざまな情報を紹介したりしています。
他文化交流フェスタ 集合写真

市長本市にお住まいの外国人は少しずつ増えてきていて、現在は1800人程度になりました。市役所にも韓国、中国、ドイツの国際交流員を配置して、国際理解や多文化共生などの取り組みを推進しています。これからの時代、文化や歴史の違いをお互いに認め合い、理解し合うことがますます重要になると思っています。

小谷さじ未来では、ごみ出しや家の草刈り、片付けといった、生活する上での困りごとに対してお助け要員を派遣する助け合い事業、地域内の共助交通であるさじ未来号の運行、放課後児童クラブさじっ子の運営などに取り組んでいます。助け合い事業は、主に町内の高齢者に登録していただいているお助け要員の中から、事務局が活動できる人を招集して派遣するという仕組みです。さじ未来号も住民からドライバーを募集して、交代で運転をしていただいています。基本的に高齢者が中心で、元気な高齢者が地域の高齢者を助けるというような実情ですので、今後は後継者の確保が一番の課題になってくるのではないかと思っています。

市長本市の9割は中山間地域に該当し、そこに人口の約半分が住んでおられます。高齢化や人口減少、利便施設の減少など、さまざまな課題がある中で、一つ一つ解決を図っていくということがすばらしいと思います。

災害時にこそ人とのつながりが大切

さじ未来号
小谷一昨年の台風第7号では、これまで経験したことがないような大雨に見舞われ、道路や橋、堤防などの被害により佐治町は一時的に孤立しました。路線バスも約1カ月半運休しましたが、その間、さじ未来号を運行し、小中学生の登下校や住民の移動に利用していただきました。

市長発災から1週間後にはさじ未来号を運行されたということで、大変すばらしいと思いました。大きな被害が発生した災害でしたが、人命に関わる被害はなく、佐治町のみなさんが、普段から地域のつながりを大切にしている結果ではないかと感じています。

小谷地域で運営する共助交通に取り組んでいたことで、このような状況になっても自分たちの事情に合わせて運行ができ、本当にあってよかったなと痛感しました。

浅見子ども連れで避難する場合、何を用意したらよいか分からない、避難所で子どもが泣き叫んだらどうしようといった悩みも伺いました。
浅見さん
また、災害対応でお父さんが現場に出てしまうと、お母さんが1人で子どもを何人か連れて避難をするなどの対応をしないといけない。そういう不安な時に、ちょっと助けてほしいと言えるご近所との関係があることが、とても大切だなと実感しています。
稲田台風第7号の災害をきっかけに、佐治町に暮らす外国人がいることを知りました。また、防災イベントでは、災害時に外国人が避難する場合、どこに行けばいいのか、どこに連絡したらいいのかが分からず、本当に不安になるという声がありました。
稲田さん
去年のTIA20周年記念イベントでは、防災に関する講演やクイズなどを行いましたし、必要最低限のものを持って避難できるよう、ペンライトや非常食などを入れた防災ボトルを外国人のみなさんと一緒に作りました。

市長災害の様相は年々激甚化、頻発化してきており、いつどんな形で発生するか分かりません。日頃からの備えと、ご家族や近隣の人と協力して避難したり支えあったりできる関係を、平素から築いていただくことがとても大切だと思います。

佃さん
河原共助会では、日頃から常につながっておこうと、つながりサポーター研修を受けています。困りごとなどを抱えている人に対して、日頃から支援や目配り、気配りをしています。

市長つながりサポーターは、孤独・孤立状態にならないように、またそのような状態の人を早く見つけて関係機関につなげ、支援をするための取り組みです。本市としても、全国に先駆けて強化していきたいと思います。

今年の目標・抱負

浅見子どもの発達の支援や子連れ防災の周知など、今の活動を充実させて、必要とする人にお届けできればと思っています。子育てして、成長して、年齢を重ねられて本当によかったと思える地域づくりのお手伝いが少しでもできたらと思います。

全ての小学校区に地域食堂を作ることを目標にしたいと思います。また、食堂という形にこだわらず、今日はしんどいな、何となく気分が乗らないなと思うときに、気軽に立ち寄れるような居場所づくりに取り組んでいきたいです。

稲田今年の目標は、オアシスを3カ月に1回ぐらいの頻度で開くことですが、TIAは「できる人ができるときに」をモットーとしているので、ゆったりと楽しく明るく前向きに取り組んでいきたいです。
小谷さん
それが活動を長く続ける秘訣だと思っています。

小谷私たちの活動は、人口減少が進行しても、引き続き住み慣れた地域に住み続けていける取り組みを作っていくことです。住民のみなさんの信頼に応えられるような形で、一生懸命取り組んでいきたいと思っています。

市長
市長本市には、つながりを大切にしながら支え合っていこうという思いの人がたくさんいらっしゃることを改めて実感しました。先行きが見通せないような時代ですが、お互いに尊重し合って、つながりを大切にすることで、今年はすばらしい年になると思います。我々もそのような年になるように、しっかりと努めて参ります。
座談会の様子

 

※座談会の内容は要約しています

司会 田中奏子(たなか かなこ)さん
司会
田中 奏子(たなか かなこ)さん

座談会の模様は、いなばぴょんぴょんネット(12ch)で放送します。

日時

1月1日(水・祝)、2日(木)
6:00〜、9:00〜、12:00〜ほか

3日(金)、4日(土)
6:00〜、15:00〜