「アンコンシャス・バイアス」という言葉をご存じでしょうか。無意識の思い込みに気づくことは、一人ひとりが生き生きと活躍する男女共同参画社会への第一歩です。
アンコンシャス・バイアスとは?
アンコンシャス・バイアスとは、「無意識の思い込み」とも言われ、何かを見たり聞いたりするときに、過去の経験や価値観などから、無意識に「こうだ」と思い込むこと、また、自分では気づいていない偏った見方や考え方のことを言います。誰にでもありうるもので、それ自体が悪いものではありませんが、人間関係などに悪影響を及ぼすことがあります。
次に挙げるのはアンコンシャス・バイアスとなりうる例です。
- 「親が単身赴任」と聞くと、父親を思い浮かべる
- 「時短勤務」と聞くと、女性を思い浮かべる
- 消防士や看護師など職業を聞いて、相手の性別を判断する
- 「私には思い込みはない」と思う
自分の思ったことが、実際の相手の状況と合っている場合もあれば、そうでない場合もあるため注意が必要です。
アンコンシャス・バイアスがもたらす影響
例えば、「単身赴任といえば普通は父親がするものだ」という思い込みから発した、「母親なのに単身赴任?」という一言が相手を傷つけているかもしれません。また、職場での「女性には(若い人には)この仕事は難しいだろう」という思い込みが、個人の成長を妨げているかもしれません。無意識の思い込みに気づかずにいると、人間関係のみならず、個人のキャリア形成にも悪影響を及ぼす可能性があります。
大切なのは「気づこう」とすること
自分自身の思い込みに気づこうと意識する
アンコンシャス・バイアスは日常にあふれていて、誰にでもありうるものです。まずは、自分にどのようなアンコンシャス・バイアスがあるか意識してみましょう。
決め付けない、押し付けない
頭ごなしに決め付けず、目の前にいる相手と向き合うよう、心がけてみましょう。
誰もが尊重される社会に
アンコンシャス・バイアスに気づくことで、意識が変わり、それにより日常での言動が変わります。一人ひとりの気づきが、お互いを尊重し合い、助け合う社会につながります。
【気をつけたい「決め付け」や「押し付け」】
●価値観の決め付け、能力の決め付け
(例)
- 子どもが小さいから出張のない部署が良いに違いない
- 管理職なんて自分には無理だ(自分自身への思い込み)
●解釈の押し付け、理想の押し付け
(例)
- 「普通は○○だ」「たいてい○○だ」と言う
- 男性は家計を支え、女性は家庭を守るべきだ
性別による無意識の思い込みに関する調査研究(出典:内閣府男女共同参画局)